現在、アフリカには何カ国存在するのか、ご存じだろうか。国連加盟国は54カ国、つい先日モロッコの加盟を認めたアフリカ連合(AU)の加盟国は55カ国である。どういうことか。鍵になってくるのが、アフリカ北西部に位置する“西サハラ”である。西サハラは、人口567,000人、面積252,120平方キロメートルのモロッコの南に位置する地域である。西サハラは、国連の加盟国ではない。しかし、西サハラは、AUには国家として加盟している。このように、国連などとAUとでは、見方によってアフリカにある国の数が変わってくる。 なぜ、このような現状となっているのか。これには西サハラの歴史が関係している。1975年、スペインは植民地であった西サハラからの撤退を準備していた。しかし、スペインは西サハラの自治権を認めることなく、モロッコとモーリタニアと3者で秘密の条約を結び、西サハラ北部をモロッコ、南部をモーリタニアが分割