昨年の夏、北山川の上流にある瀞峡(どろきょう)へ向かったときに、川沿いにある廃校らしきものに目を奪われ、車をとめて外観をまじまじと見た。元は校庭であったはずの駐車場には盆踊りの提灯がぶら下がっていた。日が暮れたら集落の人たちが集まるのだろうかとあたりを見回してみたり、なんとなく気になっていた素敵な校舎。それが今回、立ち寄ってみたら、とてもおしゃれで、あたたかみのあるカフェになっていた。 看板にはbookcafe kuju の文字。これから本の販売も手がけていくそうだ。 偶然なのだが、その日、車の後部座席には九重小学校の生徒さんたちが昭和54年につくった民話の本があった。数日前に図書館で借りて、車から降ろしもせずに読む暇もないまま熊野に持って来てしまって…。まさか、ここが九重だなんて知らなかったので、ちょっとびっくり。 民話の本のタイトルは『百夜月』(ももよづき)。かつて、この校舎で学んだ小