村上春樹さんの小説で忘れられない話があります。 その話では村上春樹さんが、「なぜ小説を書き始めることになったの」かが語られています。それは私の想像を遥かに超えた、少しスピリチュアルなものでした。最初に読んだ時は、不思議な体験をされたのだなという程度しか思っていませんでした。しかし最近私も似た経験をし、その小説のことが頭に浮かび、小説を読み直しました。その本は村上春樹さんの小説なのですが、文章は英語版でのみ書かれており、あまり日本の読者の方に知られていないかもしれないのでご紹介したいと思います。 それが書かれている本は、2015年に出版されたWind/Pinballです。彼の処女作である、「風の歌を聴け」とその次の作品である「1973年のピンボール」が英語訳され1つの本にまとめられた本です。この本が出版されるまでは、両作品は海外での英訳版の刊行は一切行われていなかったようです。 Wind/P