犠牲祭というのは、旧約聖書に出て来るアブラハム(アラビア語読み:イブラヒーム)が、次男のイサク(コーランでは長男のイスマイール)を神へのいけにえにささげようとしたところに、「お前の信仰心はよくわかった、代わりに羊をささげなさい」とお告げがあった、というお話に由来しているイスラム世界のお祭りの中でも一番大きなお祭りで、メッカの大巡礼を行った後に、本来はそれを達成したことをお祝するために行われるお祭りです。 国民みんながきちんと休む大きなお祭りといえば日本ではお正月ですが、イスラム圏の人々にとってはこのお祭りがまさに「お正月」。(新年を祝うお祭りではありません) お正月には工場も休みなら、道路を走る車の数も減るように、犠牲祭当日のモロッコもほとんど同じような調子です。 幹線道路を走る車やトラックの数さえまばらになり、いつも聞こえてくるはずの物売りのラッパや清掃車のクラクションもまるでない、お祭