安全保障への意識が高まりつつある日本において、ちょうどイラク戦争の際の国務長官であり、軍人あがりでありながら国務長官として戦争には最後まで反対し、そして湾岸戦争の端緒となったイラクの大量殺戮兵器については「誤報だった。人生最大の恥」とまで語った元軍人の人生訓であります。 細やかなニュアンスにおいて、原著と若干の乖離が感じられる部分がありまして、英文を読みこなすのに難のない方は原著もどうぞ。 コンパス的には共和党穏健派であり、叩き上げの軍人でありながら軍事力の行使に慎重であったパウエル元長官ですが、自叙伝でもありますとおり、本書は人生訓であるにも関わらず、猛烈に怒っております。物事に直面したときに「まず怒れ!」そんで「その怒りを乗り越えろ!」とか、普通の人には無理やがなと感じるエッセンスが盛り込まれているあたりが特徴的です。 非常に楽観的に対処する反面、一歩を踏み出すにあたっては彼の経験やそ