アフリカの女性戦士「アマゾン」ー19世紀ダホメー王国の女性軍団 掲載:2016-03-25 執筆:富永智津子 はじめに 舞台は西アフリカのダホメー王国(現在のベニン共和国)。わずか東西100キロほどの幅でギニア湾に面するその沿岸地域は、数多くの民族によって住み分けが行われ、多くの小王国が栄枯盛衰を繰り返していた。15世紀ころからヨーロッパ人が渡来し、基地を建設して奴隷貿易を盛んに行うようになる。このヨーロッパ人との奴隷貿易を独占して頭角を現したのがフォン人の王国ダホメーであり、その繁栄の中心にいたのが、ゲゾ王(在位1818~1858)であった。「アマゾン」と呼ばれて当時ヨーロッパにひろく知れわたった女性軍団の最盛期は、このゲゾ王の最盛期と重なっている。ちなみに、ダホメー王国は、奴隷貿易が衰退したのちは、パーム油の生産と輸出を経済的基盤として繁栄を続けたが、1894年フランス軍に敗北し、植民