国内最大のIT専門学会である情報処理学会は11月15日、「高校教科『情報』未履修問題とわが国の将来に対する影響および対策」を発表した。10月に多数の高校で発覚した未履修問題で、教科「情報」が未履修のケースが少なくないことを問題視したもの。「このままだと情報教育が退行してしまう。すでに欧米だけでなく中国やインドなどにも、ソフトウエア開発など情報技術面で遅れつつある日本が、『情報後進国』に転落しかねない」との懸念を表明した。 情報処理学会によれば、教科「情報」の時間の一部あるいは大部分を他教科の授業に振り替えていた例が多数発覚した。例えば情報の時間に数学の授業を実施し、通知表の情報の欄に数学の成績を記入していたという。さらに「その県の教育委員会が『他教科の内容を発展的に採り入れた』と主張している。今後も現状が是正されず、継続していく可能性が高い」と危惧している。 またコンピュータ利用教育協議会