1955年に発射実験を成功させたペンシルロケットの実物大の模型。講演会で見本として示すため作ったとみられるロケットの発射実験や組み立て時の写真 「日本のロケット開発の父」と呼ばれる故糸川英夫博士(1912〜99)。6月に帰還した探査機「はやぶさ」が目指した小惑星にも名前が冠された博士の足跡をたどる大量の資料が大阪府枚方市の公民館に眠っている。はやぶさの偉業を契機に、地元では記念館設立や展示の構想も持ち上がっている。 糸川博士の資料は段ボール箱で108箱分にのぼり、同市の穂谷公民館の一室に保管されている。日本で初めて発射に成功したペンシルロケットの模型や50〜60年代に試作されたロケットの部品、博士所蔵の写真など様々。東大生産技術研究所教授時代に考案したとみられる宇宙基地のイメージ図もある。 関係者によると、大量の資料が枚方で保管されるまでには曲折があった。「過去に執着しない性格だった