1948年、第二次世界大戦後の英国国家再建のため、西インド諸島系移民(※カリブ海に位置する英国の[旧]植民地諸国、ジャマイカやトリニダード・トバゴ、バルバドス等の出身者。諸国の多くは1960年代以降に独立)の最初の一団が、英国に到着。その後20年間に渡り、英国に移住する西インド諸島出身者の数は増加を続けていった。 ジャマイカから経済的に明るい未来が約束されている英国に居を定めた人々が直面したのは、寒々しい冬と、そしてほぼ間違いなく、気温よりも冷たい地元住民の対応だ。賃貸住宅の入居希望者の前に“アイルランド人と黒人はお断り”といった看板が立ちはだかるような状況の中では、住む場所を見つけることさえ困難であった。当然のことながら、彼らが国内最大級のコミュニティを築いたのは大都市中心部の低所得地域(インナーシティ)で、その多くが、例えばロンドンのブリクストンやホールズデン、そしてノッティング・ヒル