連日天気が続いていたが、この日はどんよりしていて風が強い。猪目洞窟へ続く日本海は荒れていた。平田町の海岸にこのような洞窟があるとは知らず、前情報ではかなり恐そうな所である。海から吹く強風、荒波・・・もしかして、洞窟は今日の取材を歓迎してないのかも・・・。しかし、人に言わせれば冬の日本海だから荒れているのは当たり前だ!と。どうも恐怖心が先に立っているようだ。海岸線の岸壁の道を車で走る。「この先行き止まり」とか「落石注意」だとか「倒木注意」という看板が幾度も目に付く。たしかにゴツゴツした石が道のあちこちにあり、この強風でいつ車に落ちてくるのか分からない。当たるも「運」と思って先を急いだ。 猪目町という看板が見えてホッとしたのはつかの間、細い路地を通ると土壁が崩れ落ちそうな屏や蔵が見える、町全体が昭和初期のころにタイムスリップしたようで、しかも廃れている印象を受ける。夏は海水浴客で賑わう町だそう
