日本の原子力発電所や核燃料製造施設などから、中規模火力発電所一カ所分並みの年間約八十二万トンの温室効果ガス(CO2とフロン)が出ていることが、経済産業省と環境省の「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」(二〇〇六、〇七年度)の集計データから分かりました。このデータは本紙が情報公開を請求して入手したもの。原子力関係の排出実態がわかったのは初めてです。(宇野龍彦) 政府・財界は「原発は世界に貢献。CO2ゼロ」などと宣伝し、「低炭素社会の切り札」と位置づけ増設しようとしていますが、それが、事実に反することが明らかになりました。 原子力関係の施設は、核燃料製造や使用済み核燃料の処理、保守点検・放射性物質管理などで大量の電力消費をともないます。 原発でもっとも多かったのは石川県の志賀原子力発電所で約十万九千トン。公開資料に北海道電力、関西電力の各原発と東京電力福島第2原発の排出データはありません。