水族館でも大人気のラッコは絶滅の危機にある… カリフォルニア州モントレーを中心とする沿岸域に生息するカリフォルニアラッコは、18世紀には2万頭近く生息していたが、毛皮目的の乱獲で大幅にその数を減らし、現在確認されているのはわずか2,700頭前後だ。個体数を増やす試みが続けられているものの、他の生息域に棲むラッコに比べて病原体に感染して死亡する率が高く、良い兆候は見られていない。カリフォルニアラッコがなぜ病気にかかりやすいのか、その調査論文が1月21日(現地時間)付けの『Proceedings of the National Academy of Sciences』誌に掲載されている。同論文によれば、ラッコの個体数増を妨げているのは、"貧弱な栄養源"が引き起こすトキソプラズマ症が大きな要因として考えられるという。 調査はモントレー湾、およびサンシメオンからカンブリアにかけて生息する野生のカリ