元徴用工問題や半導体材料の輸出規制強化を巡り、日本と韓国の対立が深まる中、国境の島・対馬市で韓国人観光客が激減し、観光関連業者が打撃を受けている。長崎県対馬振興局の調査では、特に団体客の減少が目立つ。長崎県の担当者は「事態がいつ収束するか見通せない。今後さらに減少する可能性がある」と危機感を強めている。 県対馬振興局は30日、ホテルや民宿など島内宿泊施設25社に日韓関係悪化の影響を調査した結果を発表。それによると、宿泊者数は前年比5割減の施設が多く、8月は8~9割減の見通しという施設もあった。担当者は「7月から予約キャンセルが発生し、厳しい状況だ」と話す。 日曜の28日昼。対馬市厳原町中心部にある免税品店「蔵」は韓国人観光客の姿がなく、閑散としていた。韓国・釜山市出身の副店長、金(キム)貞英(ジョンヨン)さん(30)は「普段、夏場の日曜なら1日50人は入る。朝に釜山から来るはずだった船が運