先天盲からの回復(せんてんもうからのかいふく、英: recovery from blindness)は、先天的または早期の障害により視覚経験の記憶をもたず生育した人が、外科手術などの方法で視力を得た後の視覚回復過程を指す。17世紀後半にモリヌークス問題という知覚・認識と経験に関する問いを当時の高名な哲学者たちが論じたことで先天盲からの視覚回復に関心が集まった。その後、眼科医による先天盲開眼者の症例報告が増えていくにつれ、17世紀から18世紀の認識論の哲学的思考実験から実証的・経験科学的な認知論に展開し、メタアナリシス的手法や術前術後の実験心理学的な観察報告・リハビリ実践の中で研究が重ねられ、さらに眼の人工臓器やブレイン・マシン・インタフェースといった分野での視知覚回復の研究も拡がっている[1]。 先天盲(誕生時から、あるいは乳幼児の頃に失明して、ものを見た記憶がないか、失われた状態[2])