独立行政法人日本学術振興会に、特別研究員という制度がある。通称、「学振」だ。博士後期課程の大学院生や、ポストドクター(ポスドク)と呼ばれる若手研究者に対し、研究奨励金(給料のようなもの)を支給するという制度である。経済的な負担を軽減して研究活動に専念させるとともに、優れた才能と意欲を持った学生の博士後期課程への進学を奨励するという、若手研究者の養成および確保を目的としてる。 すべての分野を合わせて、年間1万2000人の申請者に対し、1600人(18年度募集では1400人)ほどが採用される。毎年、この時期に募集が始まるので、多くの大学院生が申請書書きに追われるのである。 申請書には、「現在までの研究状況」「これからの研究計画」「研究業績」などを書くのだが、博士課程用の申請書に限り、今年から新たに加わったものがある。それが、「自己評価」の欄だ。先輩などの前例を参考にできないため、何を書けば良い
学振特別研究員の申請書を書いている人が多いことと思う。この申請書を、論文と同じ構成で書いてはいけない。つまり、背景説明から始めて、レビューのあとに問題を提起し、それから材料と方法を書き、研究計画を書く、という構成で書いてはいけない。審査員として何度も多量の申請書を読んだ経験から、私はそう考えている。なぜか。申請書を読み進まなければ、肝心のアイデアや、研究計画の要点がわからないからである。 審査員は通常、少なくとも50程度の申請書を読む。これだけの数の申請書を読み、公平性さと正確さに十分な配慮をしながら、点数をつける作業は、実に大変である。審査作業を続けていると、へとへとになる。そのような状態で、審査員はあなたの書類を読む。 2つの書類を思い浮かべてほしい。一方は、肝心のアイデアや、研究計画の要点が最初に書かれていて、そのあとで詳細な説明がある。他方は、背景説明・一般的なレビューのあとに、よ
前回はピアーレビューの意義、正当性について書きました。何人かの方から、この話題を続けるようにとの要望がありましたので、今日はグラントの獲得方法、それも始めてのグラントの場合について触れたいと思います。すなわち、初めて自分で研究室を立ち上げて、初めてのオペレーティング・グラントを書く場合です。ここでオペレーティング・グラントとは、特定の研究プロジェクトに関して提案するもので、その研究の遂行に必要な人件費や消耗品を予算として計上できます。機器類の備品は一部認める機関もありますが最小限ですので、大型の備品(数万ドルを超える)については他の種類のグラントの申請が必要になります。アメリカの場合、このグラントには研究代表者(PI)の給料分も計上できます。すなわち、グラントが継続的に取れないと自分の給料も保証されないという過酷な現実があります。カナダの場合は、もう少し保守的な仕組みで、PIの給料は大学や
よくとおる(?!)研究費申請の出し方、についてはトロントの伊倉先生がご自分のBlogに書いておられる。私は自分の申請(論文も含めて)を通すことさえ四苦八苦しているのだがその一方で審査する立場になる機会も増えてきた。 学振特別研究員の審査をする機会があったのでその経験を記しておく。最近審査方法が変更されたが公平性の確保という点で改善といえるだろう。特に各申請ごとに6名の審査者が書類選考を行うので偶然合格する、もしくは審査員の無理解で不当にも落とされるという審査のぶれは最低限に抑えられるだろう(以前は3名だった)。 書類審査にあたる審査員は1500人もいる。応募数を1.25万件として1件あたり6人が審査、一人あたり50件読むとすると (12,500 x 6) / 50 = 1,500となる数だ。よくもまあこれだけの数の審査員を確保できたものである。 書類審査ののちに専門委員*1による審査会で採
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