「ソニーがiTunes Storeで音楽を配信する」 というニュースが流れたのは、7月2日のことだ。事の発端は、日経新聞Web刊が速報カテゴリで「ソニー、アップルに楽曲配信 販売増へ戦略転換」という見出しの記事を掲載したことだった。この見出しを見る限り、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、ソニー)がついに、これまでの独自路線を廃してiTunes Storeに楽曲を配信するという、とてつもないビッグニュースのように見える。実際、そのタイトルに誰もが驚いた。 しかし、事実はまったく違っていた。記事本文を読むと、ソニーがこれまでの戦略を全面的に方向転換したのではなく、ソニーが出資している「レコチョク」という音楽配信サービスを利用できるiPhone、iPad向けアプリを、アップルのiTunes Storeで配布(無料)するというものだった。 ソニーは日経報道で、とんだとばっちり? しかも