犬連れの登山者は日本では少ない。自然の境界線、そこに人為が及ぶのをどこまでよしとするか、議論とルールづくりが必要だ。 今年3月、ひとつのニュースがネット上で話題になった。ヒマラヤのバルンツェという標高7129mの山を目指していた登山隊に、現地でなついた野良犬がくっついて歩いていた。 登山活動に入ってからも必死に後を追ってくるその犬に情が移った登山隊は、隊の一員として受け入れることを決意。最終的にいっしょに山頂まで達したという。標高7000mというと動物はほぼ生息していない環境であり、犬の到達標高としてはおそらく世界最高記録と思われる。 これはハートウォーミングな「ほっこりニュース」として世界中でシェアされた。ニュースを聞いた人のなかには、自分も愛犬と山に登ってみたいと思った人もいるかもしれない。 たとえば、この夏、いっしょに富士山に登って、日本最高峰登頂犬にしてやりたいなど……。 しかし、