北九州の台所として知られる旦過市場(小倉北区魚町)。4月19日未明に発生した火事は一昼夜にわたって鎮火せず、市場内の42軒に延焼、名物でもあったレトロな町並みの一角を焼失した。火事の直後から同市場の復興を願う声は絶えることなく、クラウドファンディングなどでも寄付が集まり、北九州市民と旦過市場の結び付きの強さを印象づけている。旦過市場では火事の前から再整備計画が進んでおり、2027年度をメドに新しい商業ビルが建つ計画だが、その再開発地区をめぐるトラブルが起きている。旦過市場は誰のものなのか、市民が応援できる市場として再生できるのか、背景を探った。 北九州市小倉北区。メインターミナル・JR小倉駅前の魚町銀天街商店街をぶらり歩いて10分ほど、あるいは小倉駅に直結する北九州モノレールで2つ目の「旦過」駅を降りてすぐ目の前。交通至便な旦過市場は小倉のまちの顔として、長く北九州市民に親しまれてきた。