12月30日に営業をやめて建て替える大丸心斎橋店(大阪市中央区)の本館について、Jフロントリテイリングは11日、1階の内装を保存していくと発表した。有識者による保存検討委員会の結論を受けて決めた。今後さらに調査し、建て替え計画を詰める。 保存の方向性が示されたのは、幾何学模様が特徴的な天井やステンドグラス、柱回りなど1階の内装。現在の建物から取り外せるかどうかなどを調査する。 本館は、米国出身の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの代表作で、1933年に完成した「大正モダン建築」で知られる。Jフロントは、大学教授らによる検討委を設置し、今年1月から協議を重ねてきた。検討委は、内装について「昭和初期の百貨店建築として当時の商業文化を現代に伝えるもの」とし、保存するよう求めた。 また、Jフロントは本館の外壁についても、御堂筋側の正面と、南北の側面を保存することを決めた。