(2014年5月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 昨年10月、李克強氏が中国首相として初めてベトナムを訪問した時、この訪問は、南シナ海を巡って緊張が高まる中で近隣の東南アジア諸国との関係改善を図る中国政府の大きな取り組みの一環と見なされた。 李首相は当時ハノイで、中国とベトナムは共同海洋開発について協議するグループを創設すると述べた。南シナ海に関する中国政府の研究機関「中国南海研究院」の呉士存院長は、両国は「南シナ海の危機を共同で管理することで合意に達し、海上摩擦を和らげるようになる」と述べた。 中国側の「挑発」で関係改善の流れが一転、南シナ海でにらみ合いに だが、それから6カ月経った今、中国政府がパラセル(西沙)諸島近くの係争海域に油田掘削装置を設置したことから、両国関係は再び暗礁に乗り上げた。 米国は中国側の行動を「挑発的」と評している。ベトナムは声高に抗議し、問題の海域に数十