【ベルリン篠田航一】戦後、ドイツで出版が許可されてこなかったナチスの独裁者ヒトラーの著書「わが闘争」について、著作権を持つ独南部バイエルン州政府のマルクス・ゼーダー州財務相は24日、学術的な注釈を加えたうえで、2016年以降に出版する意向を表明した。独メディアが一斉に伝えた。 著作権は現在、ヒトラーが生前に住民登録をしていたバイエルン州が保有。ドイツでは作者の死後70年間、著作権が保障されるため、1945年に自殺したヒトラーの著書は2015年いっぱいで著作権の期限切れを迎える。州当局はこれまで、ナチスの犠牲者への配慮に加え、本がネオナチなど極右組織の「聖典」となることを懸念し、一貫して出版を認めてこなかった。だがゼーダー州財務相は「著作権切れ以降、悪質で一方的な解釈の本が流布するのを防ぐため、正しい注釈付きの本の出版を決めた」と説明。一般に広めることで、本が極右などから過剰に「神格化」され
印刷 ヒトラーの「わが闘争」の抜粋を付録につけ、ドイツで26日に発行された雑誌。「わが闘争」の原文は読めないよう処理されている ドイツのミュンヘン地裁は25日、独裁者ヒトラーの「わが闘争」の出版を禁じる仮処分を出した。ドイツ国内で抜粋の発行を計画した英社を、著作権を持つ南部バイエルン州が訴えていた。原文はインターネットで読めるが、事実上の禁書扱いが続くことになった。 ヒトラーの人生や思想をまとめた「わが闘争」の著作権は戦後、連合国の方針でヒトラーの私宅があったバイエルン州に移った。州はナチスの犠牲者への配慮のほか、極右勢力に影響を与えかねないとして国内では出版を認めていない。 英国の出版社は、ナチス時代の新聞記事を復刻する雑誌の付録として3回にわけて抜粋の出版を計画。これに対してバイエルン州財務省が24日、「著作権の侵害だ」として提訴した。 購読されている方は、続きをご覧いただけます
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く