海洋資源大国は「幻」 質を見ねば国を誤る/インタビュー・石井 吉徳氏(東京大学名誉教授地球物理学者) 月刊FACTA 8月5日(月)9時11分配信 ーーメタンハイドレートやレアアース泥など、日本近海に眠る海洋資源が注目を集めています。その開発に成功すれば、日本は「海洋資源大国」になれるとの期待も膨らんでいます。 石井 私に言わせれば、海洋資源大国はまったくの幻想です。あるいは、政治家、官僚、企業、学者が一体となって作り上げた「神話」と言ってもいい。なぜなら、いわゆる海洋資源は本物の「資源」ではないからです。 日本の周辺海域にメタンハイドレートやレアアース泥が大量に存在するのは事実です。しかし、人間が有効に利用できなければ本物の資源とは呼べない。そこにあるだけなら単なる「物質」に過ぎません。 人間が有効に利用できる資源には条件があります。(1)濃縮されている、(2)大量にある、(3)経