1960年代に起きた食品公害「カネミ油症」に認定された患者ら54人が、原因企業の「カネミ倉庫」(北九州市)などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第三小法廷(木内道祥裁判長)は患者らの上告を退ける決定を出した。2日付。不法行為から20年で損害賠償を求める権利を失う「除斥期間」が過ぎているとして訴えを退けた二審・福岡高裁判決を支持。患者側の敗訴が確定した。 訴えていた患者らの多くは、新たな認定基準が適用された2004年以降に認定された。患者側は「認定を受けないと国の被害実態調査の対象にもならず、救済を要求することは現実的に不可能だった」と主張。認定された時点から除斥期間が始まるとみなすべきで、損害賠償を求める権利があると訴えていた。 14年の二審判決は、「カネミ油症が、症状が進行したり、一定の潜伏期間の後に症状が出たりするとは認められない」と判断。患者らが遅くとも69年12月にはカネミ油を口にし