近年「バイオスティミュラント」という言葉を耳にする機会が増えた。それは農薬でも、肥料でも、土壌改良材でもない全く新しい農業資材と言われているが、多くの生産者にとってはまだ身近な存在であるとは言えない。 今回は、前編・後編の2回に分けてこの新しい農業資材「バイオスティミュラント」について日本バイオスティミュラント協議会の方々に教えていただいた。前編では、バイオスティミュラントとはいったい何なのか? そして世界と日本のバイオスティミュラント事情をお伝えする。 なお、インタビューはオンラインにて実施した。 2018年に日本バイオスティミュラント協議会を立ち上げた須藤修さん。アリスタライフサイエンス株式会社で同資材のマーケティングの仕事を行いながら、設立から現在まで事務局長を務めている 株式会社ファイトクロームの河合さん。主に葉面散布肥料と香りを使ったバイオスティミュラント製品「すずみどり」を開発
かつて日本経済を牽引(けんいん)していた半導体産業は現在、米国や中国などに大きく後れを取っている。だが、産業技術総合研究所などの研究チームは最近、コーヒーなどの植物に含まれるカフェ酸を電極に使うことで、今後の用途拡大が期待される次世代半導体である「有機半導体」の性能を、100倍も向上させることに世界で初めて成功。バイオマス由来のため環境負荷の軽減につながり、日本の苦境を救う新技術にもなりそうだ。 次世代主役は有機半導体平成の中頃まで、半導体は産業の中枢を担うという意味で「産業のコメ」と呼ばれ、日本が世界をリードしてきた。だが、開発投資戦略の失敗や、米国や中国、台湾などの台頭などの影響で国際競争に負け、いまやその面影はない。
医療ではなく工業の分野で脚光を浴びてきた素材の薄膜をコーティングすることで、病原体となるバクテリアや真菌の細胞を破壊することができる技術が開発されました。このナノコーティング技術は、抗生物質が効かない薬剤耐性菌(スーパーバグ)にも有効な上に人体には無害なため、傷口に貼る創傷被覆材や医療用器材を体内に埋め込むインプラントの素材として有望視されています。 Broad-Spectrum Solvent-free Layered Black Phosphorus as a Rapid Action Antimicrobial | ACS Applied Materials & Interfaces https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsami.1c01739 Superbug Killer: New Nanotech Destroys Bacteria and F
パナソニックは、同社独自の「ナノイー」を実現する帯電微粒子水技術が、新型コロナウイルスにおいて「懸念される変異株」とされるアルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の4種の変異株に対する抑制効果を実証したと発表した。 帯電微粒子水を2時間暴露することで、すべての変異株で99%以上の抑制効果を確認できたという。パナソニック くらし事業本部くらしアプライアンス社くらしプロダクトイノベーション本部コアテクノロジー開発センター機能デバイス開発部部長の須田洋氏は、「最も感染力が強いといわれるデルタ株を含めたすべての変異株で、99%以上の抑制効果を確認できた。今後も新たな病原微生物をはじめ、さまざまな空気リスクが発生する可能性がある。パナソニックは、継続的に帯電微粒子水技術の可能性を追求するとともに、さまざまな効果検証を進め、社会に貢献していく」と述べた。 パナソニックでは、2020年7月に、帯電微粒子
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米コロンビア大学とオランダ・デルフト工科大学の研究チームが開発した「Application of a sub–0.1-mm3 implantable mote for in vivo real-time wireless temperature sensing」は、超音波で電力供給と無線通信を行う超小型の温度センサー搭載シングルチップだ。総体積0.1立方mm以下という、塩つぶやダニに匹敵するサイズで、注射針で体内に移植し、生体信号のモニタリングを目指す。 体温、血圧、ブドウ糖、呼吸などの生理的状態を監視する体内埋め込み型医療機器は、何百万人もの人々の生活の質を向上させている。 これまでの埋
<アメリカでは2011年にオバマ大統領が一般教書演説で優先課題に挙げるなど世界で注目されるSTEM教育。ベトナムやアフリカの新興国も力を入れる一方、日本は大きく出遅れています。ITなしでは成り立たない時代を生き抜くために必要な力とは?> 今、アメリカが国家戦略として推進しているのが「STEM(ステム)教育」です。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Math(数学)の略で、これからの社会で最も成長が著しい分野として人材育成が急務となっています。 STEM教育最大の利点は、社会で必要とされる実用的な技能を、教科の枠を越えて学習できることです。従来の学校カリキュラムでは算数は算数だけ、理科は理科だけというように縦割りの教科領域しか学ぶことができませんでした。 しかしSTEM教育を取り入れることで、国語、算数、理科、社会、図画工作、コンピューターな
世界をうならせる?日本の農業技術 銀座農園の飯村一樹社長【時事通信社】 人類が地球上の6大陸に続いて「月」を7番目の新大陸として目指している。日本も2022年度に小型探査機を打ち上げるが、タンパク質や水まで確保できるようになった月面で、現時点で唯一自足できないのが生鮮食品。月面で「甘いミニトマト」をいかに育てるか。ロケット技術では大国に負けても、何とか青果を作る農業技術ではまだ勝てるのではないか。そうした「夢」に向かって研究にいそしむ会社がある。(時事総合研究所客員研究員・長澤孝昭) JAXAプロジェクトに協力 昨年10月14日~16日に千葉県の幕張メッセで開かれた第10回農業Weekをのぞいたら、「JAXA『月面農場』プロジェクトと、ロボットによる無人農業生産システムの開発について」と題する講演テーマが目にとまった。講演したのは銀座農園(東京・銀座)の飯村一樹社長。2007年10月創業の
東芝は「量子暗号通信」と呼ばれる次世代の暗号技術を来年度アメリカで実用化する方針を決めました。実現すれば日本企業としては初めてだということです。 このため東芝は、量子を使った次世代の暗号技術「量子暗号通信」を来年度アメリカで実用化する方針を決めました。 「量子暗号通信」は、暗号化した情報とその解読に必要な鍵を微弱な光に乗せてやり取りする仕組みで、不正に解読しようとすると光の状態が変化するため鍵として使えなくなり、絶対に解読されない技術とされています。 会社は専用の機器を販売するのではなく定額制のサービスとして提供する方針で、機密性の高い情報を扱うアメリカの政府機関や金融機関などで導入が進むとみています。 実用化すれば日本企業としては初めてだということです。 量子暗号の技術は欧米や中国などでも開発が加速していますが、東芝はアメリカでどの程度広がるかを見ながら早期に世界展開し、この分野のシェア
基本的にどんな物質でも絶対零度以上の温度があれば熱放射(熱が電磁波として伝わる現象)を放つ。赤外線カメラが感知しているのもこれだ。 そのため赤外線カメラを前にすれば、背景に溶け込むイカした迷彩服を着ていようが、闇夜にすうっと紛れ込もうがまったくの無意味。あなたの姿はまるっとお見通しなのだ。 だが、居場所を告げ口してしまう熱特性を覆い隠して、赤外線カメラを欺くことができる新素材が開発された。 その素材がすごいのは量子性が備わっているところだ。古典的な物理学では説明不能なあの不可思議な特性があるのだ。 温度と熱放射を切り離す量子素材 赤外線カメラを出し抜く技術はこれまでにもあった。たとえば、ここ最近開発されたグラフェンやブラックシリコンからできた素材は、電磁放射を翻弄し、カメラから物体を隠すことができる。 しかし今回の量子素材は物体の温度と熱放射を切り離すという、なんだか物理法則を無視するかの
おでこや頭頂部にかけて髪の毛が薄くなる男性型脱毛症。成人男性の3人に1人が悩んでいるともいわれる。最近は発毛を促す薬に加え、再生医療でフサフサの状態を取り戻そうという試みが始まっている。 男性型脱毛症の原因は、頭皮の中にある「毛包(もうほう)」という器官の働きに深く関係している。 毛包は髪の毛を作る工場のような器官だ。根元にあるスイッチ役の毛乳頭細胞が指令を出し、毛髪をつくる毛母細胞が分裂を繰り返す。毛母細胞はケラチンというたんぱく質を蓄積しながら次々と死んでいき、上に押し出されて髪の毛になる。 正常な髪の毛は、毛母細胞が活発に分裂する「成長期」から、成長が止まる「退行期」、古い毛髪が抜ける「休止期」というサイクル(毛周期)を繰り返しながら生え替わっていく。 ところが、男性型脱毛症の人では、このサイクルに異変が起きている。通常は2~6年ほど続く成長期が極端に短く、数カ月から1年程度で退行期
さて10年前を想像してみてほしい。iPhoneは3世代目となったが、今ほどスマートフォンは普及していなかった。LINEだってまだなかった。 だが今や、インターネット閲覧はPCからスマートフォンにとって代わり、IoTとスマートスピーカーで、家電を操作する時代となった。 数々の技術進歩、イノベーションによって世界は変化し続けているのだ。それを日々の生活で実感するのは難しいが、百聞は一見に如かず。 これらの画像で技術進化の速度が一目瞭然にわかる。 真空管はどこに消えたの? この画像を大きなサイズで見る ENIACのような電子計算機には18,000個の真空管が取り付けられ、重量は30トンもある。未来のコンピューターはたった1,000個の真空管しか備えておらず、重量もわずか1.5トンだ。ーーポピュラーメカニクス・1949年 image credit:Toresbe/Wikimedia これは1965
認証プロセスすら不要に! Touch IDでパスコード入力とサヨナラし、指紋認証で未来を感じたのもいまは昔。今度はiPhoneでも、Face IDの顔認証が一般化する時代になりましたけど、その次の未来は、どうやら心臓がカギを握っていそうですよ。 このほどニューヨーク州立大学バッファロー校(University at Buffalo)の研究チームは、心臓スキャンによる認証技術の可能性を説いた論文を発表。心電図検査をベースにするスキャンソフトを開発し、なにもユーザーが操作せずとも、心臓の固有データから認証を進めることで、新たな世界が切り開かれるとアピールしています。 だれかと会って話すだけで、顔は広く知られてしまう。なにかに触れるだけで、そこから指紋は入手できてしまう。だから、指紋や顔を用いた認証法は万全ではない。しかしながら、心臓についていうならば、決して盗み出せない万全の認証システムとなり
肝臓病や緑内障、ガンも! 健康診断してくれる未来のコンタクトレンズは、ここまで来た2017.04.06 20:037,973 Glycine 血糖値が低すぎますよ、臓器に問題ありますよ ー このように健康診断してくれるのは、なんとコンタクトレンズ。米国オレゴン州立大学の研究者が、超薄型トランジスタ技術を活用し、バイオセンシング用コンタクトレンズの実現に迫っています。 使い捨てのコンタクトレンズでガン検診も可能? オレゴン州立大学の教授Gregory Herman氏が率いる研究チームは、コンタクトレンズに組み込んで、涙からさまざまな症状の検出ができる透明なバイオセンサーを開発しました。現在、ラボでテストされたプロトタイプが検出できるのは血糖値だけですが、将来的には、他の病気、おそらくガンを検出する可能性があるとチームは考えています。このような未来のコンタクトレンズが薬局の棚に並ぶまでには、ま
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