営業利益で6年連続、既存店売上高で8年連続プラスの好業績を維持する日本マクドナルド。24年12月期も増益予想で、景気低迷下で「増益街道」を突っ走る。かつて、ハンバーガーを59円に値引きし、「バーガーは安物」のマイナスイメージまで残し、赤字転落を余儀なくされた失敗の影は今はない。 業績をV字回復させた社長の原田泳幸は「日本マクドナルドがデフレ(経済)を主導する必要はなかった。不況下とはいえ、完璧に間違った経営戦略。値引きで新たな消費市場は生まれない」と振り返り、消耗戦と化している現在の企業の低価格競争に警鐘を鳴らす。 ■ ■ 「59円バーガー」の登場は、10年前の平成14年8月5日。「ハンバーガー59円」と書かれたマクドナルドの店舗には、激安価格を求める客が列をつくった。この日から1週間の客足は、前週比約25%の大幅な伸び。会長兼最高経営責任者(CEO)の藤田田、社長の八木康行の戦