中国では、2005年7月に行われた「人民元改革」を経て「管理変動制」に移ってからも、人民元レートの上昇を抑えるために、大規模な為替介入が実施されてきた。それに伴って、外貨準備とともにベースマネーも増えるため、国内のマネーサプライをコントロールすることは難しくなっている。当局は、流動性を抑える手段として、当初、中銀手形の発行を通じたベースマネーの回収に重点を置いたが、その後、利払いの負担を減らすために、法定預金準備率を引き上げることに切り替えた。特に、2010年以降、インフレが加速する中で、金融引き締めの一環として、法定預金準備率を過去最高の水準に引き上げてきた。これを受けて、マネーサプライの伸び率も2009年の金融緩和期の高水準から急速に低下してきている。それにより、今後インフレ圧力が低下すると予想される。 中国は、人民元レートの上昇を抑えるために、日々人民元売り・ドル買いという形で為替介