日本国内でバターは政府が輸入を管理する「国家貿易」であることをご存知だろうか。国内で流通するバターと脱脂粉乳は、国内の酪農を保護するため、基本的には国内産で賄い、足りない分に限って政府が輸入し、乳業メーカーなどに売り渡すことになっている。もちろん、外国産バターの輸入には高関税がかかっているため、民間業者が事実上、バターを輸入できない仕組みになっている。 在庫不測で国内価格が上昇 農水省はこのほど、バターの最需要期である年末のクリスマス商戦に向け、国内のバターが不足する可能性があるため、業務用の冷凍バター2000トンを追加輸入すると発表した。追加輸入は昨年も行われており、1995年の現行制度発足後、今回が通算で3回目。 「追加輸入とはあくまで緊急的に輸入する措置であって、あまり頻繁に行うべきものではない」(農水省関係者)という。バターの卸売価格は在庫の減少から上昇傾向にあり、今年6月には1キ