このほど公開されるアメリカのドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」(ファイン・ライン・ジャパン・メディア配給)は、まことに痛快なドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」の、いわば後日談である。前作が、どう痛快かは、2010年11月、本欄で紹介させていただいたので、ご検索ください。監督、プロデューサーは、日本の佐々木芽生。取材対象のハーブとドロシーのヴォーゲル夫妻に密着、きめ細かな記録を、鮮やかに編集。軽快なテンポで、夫妻の近況を綴っていく。 ヴォーゲル夫妻は、アメリカの現代アートのコレクションを築き上げる。図書館司書の妻ドロシーの給料で生活し、郵便局員の夫ハーブの給料で、手の届く範囲で、お気に入りの、アート作品を購入する。狭いアパートに入るものばかりだから、小さな作品ばかり。作家は、ほとんど無名の、まだ若い人が多い。投資目的でないから、夫妻は