これから僕が書くことは、全て一片の曇りもない嘘である。こんな生活を送っている「僕」はこれを書いている僕とは何の関係もないし、「妻」も僕の妻を指さない。全ては四月馬鹿の日に書かれた、僕のエアー妻(空気嫁)との生活や旅の出来事についての創作である。その点、お含みいただきたい。 ■ 僕が妻と結婚して、今月の末で3年目になろうとしている。すぐ近くにあったお互いのアパートを行き来して結婚への準備を進めた。婚姻届を出しに行った日と妻のアパートの立ち退き日が一緒で、妻は明るい日光の下、むやみやたらにスキップしていた。アパートの近くを通ると、お菓子工場の甘い匂いは変わらないけれど、閉店したパチンコ屋がコンビニになっていたりして、街の移り変わりのほんの一部を垣間見たような気持ちになる。 届けを出して一緒に暮らし始めてすぐ、僕が友人の結婚式で長野に行くことになって、当然のように妻もついてきた。事実上の新婚旅行
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