今年(2018年)3月、日本産科婦人科学会(日産婦)は、胎児の染色体異常などを妊婦の血液から調べる新型出生前診断について、今後は、これまでのような臨床研究限定とはしないとする方針を発表した。さらに同年4月には指針見直しのための新たな委員会の設置を決定した。こうした検査や、不妊治療にかかわる生殖補助医療が高度化する中、様々な問題や課題が出現しており、今回の新型出生前診断もその一つである。そこで、日産婦の倫理委員として、これらの件についてメディア対応した、都立墨東病院産婦人科部長の久具宏司医師に、生殖補助医療の歴史や現状、問題点などについて聞いた。 非配偶者間人工授精児誕生から70年 1948年に日本で初めて、夫以外の精子を受精させる「非配偶者間人工授精(AID:Artificial Insemination by Donor)」が行われ、翌年に子どもが誕生しました。それ以前も、「配偶者間人工