野村総合研究所で約20年間勤務した後に、人材派遣大手スタッフサービスのCIO(最高情報責任者)を務めて急成長を支え、『ダメな“システム屋”にだまされるな!』(日経情報ストラテジー編)の著者でもある佐藤治夫氏が、情報システムの“ユーザー企業”における経営者・担当者の視点で、考慮するべきことや、効果的な情報化のノウハウなどを解説する。(毎週月曜日更新) この記事が世に出るころ(2010年7月12日未明)には、11日投開票の参院選の結果がほぼ出ていることでしょう。前回(第33回)で指摘した通り、日本の情報化戦略やIT(情報技術)戦略があまり争点にならなかったのは残念です。 選挙期間中の6月29日には、菅直人内閣の内閣官房国家戦略室に置かれている「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」が、いわゆる「国民ID」の導入に最大で約6100億円かかるという試算を含む中間取りまとめを発表しました(関連