粗死亡率と年齢調整死亡率 死亡率には「粗死亡率」と「年齢調整死亡率」があります。「粗死亡率」は一定期間の死亡数を単純にその期間の人口で割った値です。がんは高齢になるほど死亡リスクが高いので、人口が高齢化するとそれだけでがんの「粗死亡率」は高くなります。 日本人のがんの「粗死亡率」は増加し続けていますが、それが人口の高齢化だけの影響なのか、それとも高齢化以外の何らかの要因があるのかを知るためには、年齢構成の変化の影響を取り除いた「年齢調整死亡率」を用いる必要があります。「年齢調整死亡率」は「もし人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう死亡率」で、集団全体の死亡率を、基準となる集団の年齢構成(基準人口)に合わせた形で求められます。基準人口として、国内では通例昭和60年(1985年)モデル人口(昭和60年人口をベースにつくられた仮想人口モデル)が用いられます。