気になる感染症について、がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長の今村顕史さんに聞く本連載。今回は首都圏から全国に流行が拡大してきている「風疹」を再び取り上げる。国立感染症研究所の発表によれば、2018年の累積患者数は2917人。2019年に入ってからはすでに1718人(6月12日時点)に上っている。厚生労働省は現在の風疹感染の拡大を受けて、2019年からの約3年間に対象世代(1962〔昭和37〕年4月2日から1979〔昭和54〕年4月1日生まれ)の男性に対して原則無料で風疹の抗体検査・予防接種を実施することにした。なぜそのような対策が必要なのか。風疹予防の重要性について、改めて聞いた。 【ココがポイント!】●風疹は40代前後の男性に多く発症している●風疹で最も重大な問題は、母子感染による「先天性風疹症候群」●予防にはワクチン接種が最も有効。ただし、妊婦には接種できないため、家庭、職場