--------------------------------- 今月の記事 -------------------------------
ル・モンド・ディプロマティーク
日本語・電子メール版(2009年8月号)
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■ クーデター勃発
モーリス・ルモワーヌ(ル・モンド・ディプロマティーク編集部)
・・・セラヤ大統領が追放された理由は、再選問題にとどまらず、憲法の改正を「考
えた」からだとされる。実際、彼は3つの重い罪を犯した。中道右派(自由党)出身
なのに、国を支配する政治経済エリートと袂を分かった。最低賃金を60%引き上げ
た。米州ボリーバル代替統合構想(ALBA)への加盟により、ネオリベラリズムとの決
別を謳うボリビア、キューバ、エクアドル、ベネズエラなどの陣営に加わった。アメ
リカ大陸の右派は、このALBAの「もろい環」であるホンジュラスへの攻撃に打って出
た。・・・(本文より)
▼URL:http://www.diplo.jp/articles09/0908.html
■ 新疆ウイグル、2009年
マルティーヌ・ビュラール特派員(ル・モンド・ディプロマティーク編集部)
経済の回復を図っているさなかの中国にとって、南のチベット、北の内モンゴル、
西端の新疆といった辺境地域が、あるいは公式には50余りあるとされる少数民族が、
脅威として出現しているのだろうか。いずれにせよ、中国で騒乱が頻発するようにな
ったことは事実だ。2009年7月にウルムチで、テュルク語系のイスラム教徒と多数派
の漢族との間で起きた衝突はすさまじいものだった。北京政府はそこに、中国を揺さ
ぶろうとする国際的な陰謀の影を見ている。インドに亡命中のテンジン・ギャツオ、
つまりダライ・ラマ14世に続いて、ワシントンに亡命中の世界ウイグル会議のラビ
ア・カーディル議長が糸を引いているというのだ。しかし北京政府が違う政策をとっ
ていれば、この2人の指導者がこれほどの影響力を持つことはなかっただろう。ウイ
グル族はいくつもの要因に苦しめられている。第一に「漢化」である。北京政府の政
策だけによるわけではないにせよ、ウイグル人の疎外につながっている。第二に、急
速な近代化もまたウイグル人の排除を招いている。第三に、観光産業の急成長によっ
て、ウイグル文化は単なる風習に成り下がりつつある。(フランス版編集部によるリ
ード文)
▼URL:http://www.diplo.jp/articles09/0908-2.html
■ シリーズ金融危機:フロリダの果てなき希望
オリヴィエ・シラン(ジャーナリスト)
リーハイ・エイカーズにごまんとある家、絵ハガキのような一戸建てだ。専用ガレ
ージ、バーベキューにうってつけの芝生の庭、それに星条旗を掲げるポール付き。
「売り家」という看板が入口にある。「売れるわきゃないよ」と17歳の高校生、トム
(1)は笑い飛ばした。芝生の上には廃用品が散乱し、ガレージのドアは蝶番が外され
ていて、間に合わせのフェンスが付けてある。ポールはと言えば、2007年に家の主が
銀行に追い出されて以来、旗がはためいたためしはない。トムは懐中電灯を片手に家
の周りを一巡りすると、ある窓の前で立ち止まった。2枚の板が×の字に打ち付けら
れてある。「ほら、ここさ」。口笛を吹きながら1枚の板を持ち上げて、彼は台所に
滑り込んだ。・・・(本文より)
▼URL:http://www.diplo.jp/articles09/0908-3.html
■ 経済成長からの脱皮を思考する人々
エリック・デュパン(ジャーナリスト)
「decroissance」という概念が、フランスで市民権を得るようになった。下記で
「縮退」と訳したこの言葉は、「croissance」に否定辞を付けた新語であり、不断の
経済成長というパラダイムの批判を意味しており、エコロジストやオルターグローバ
リストたちの間だけではなく、国会の答弁でも用いられるほど広範に使われる言葉と
なった。しかし、この思想を打ち出す人々の間に、統一的な見解があるわけではな
い。それは、この概念が経済の領域を超えて、政治的、哲学的な問いを提起している
からだ。(日本語版編集部によるリード文)
▼URL:http://www.diplo.jp/articles09/0908-4.html
All rights reserved, 2009, Le Monde diplomatique + Saito Kagumi
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編集発行: 斎藤かぐみ
制作: 廣井淳一、三浦礼恒、岡林祐子、にむらじゅんこ、土田修、エマニュエル・
ボナヴィタ、今村律子ほか
日本語版 ホームページ: <http://www.diplo.jp/>
メール先: info@diplo.jp
仏語版 ホームページ: <http://www.monde-diplomatique.fr/>
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■ クーデター勃発
モーリス・ルモワーヌ(ル・モンド・ディプロマティーク編集部)
・・・セラヤ大統領が追放された理由は、再選問題にとどまらず、憲法の改正を「考
えた」からだとされる。実際、彼は3つの重い罪を犯した。中道右派(自由党)出身
なのに、国を支配する政治経済エリートと袂を分かった。最低賃金を60%引き上げ
た。米州ボリーバル代替統合構想(ALBA)への加盟により、ネオリベラリズムとの決
別を謳うボリビア、キューバ、エクアドル、ベネズエラなどの陣営に加わった。アメ
リカ大陸の右派は、このALBAの「もろい環」であるホンジュラスへの攻撃に打って出
た。・・・(本文より)
▼URL:http://www.diplo.jp/articles09/0908.html
■ 新疆ウイグル、2009年
マルティーヌ・ビュラール特派員(ル・モンド・ディプロマティーク編集部)
経済の回復を図っているさなかの中国にとって、南のチベット、北の内モンゴル、
西端の新疆といった辺境地域が、あるいは公式には50余りあるとされる少数民族が、
脅威として出現しているのだろうか。いずれにせよ、中国で騒乱が頻発するようにな
ったことは事実だ。2009年7月にウルムチで、テュルク語系のイスラム教徒と多数派
の漢族との間で起きた衝突はすさまじいものだった。北京政府はそこに、中国を揺さ
ぶろうとする国際的な陰謀の影を見ている。インドに亡命中のテンジン・ギャツオ、
つまりダライ・ラマ14世に続いて、ワシントンに亡命中の世界ウイグル会議のラビ
ア・カーディル議長が糸を引いているというのだ。しかし北京政府が違う政策をとっ
ていれば、この2人の指導者がこれほどの影響力を持つことはなかっただろう。ウイ
グル族はいくつもの要因に苦しめられている。第一に「漢化」である。北京政府の政
策だけによるわけではないにせよ、ウイグル人の疎外につながっている。第二に、急
速な近代化もまたウイグル人の排除を招いている。第三に、観光産業の急成長によっ
て、ウイグル文化は単なる風習に成り下がりつつある。(フランス版編集部によるリ
ード文)
▼URL:http://www.diplo.jp/articles09/0908-2.html
■ シリーズ金融危機:フロリダの果てなき希望
オリヴィエ・シラン(ジャーナリスト)
リーハイ・エイカーズにごまんとある家、絵ハガキのような一戸建てだ。専用ガレ
ージ、バーベキューにうってつけの芝生の庭、それに星条旗を掲げるポール付き。
「売り家」という看板が入口にある。「売れるわきゃないよ」と17歳の高校生、トム
(1)は笑い飛ばした。芝生の上には廃用品が散乱し、ガレージのドアは蝶番が外され
ていて、間に合わせのフェンスが付けてある。ポールはと言えば、2007年に家の主が
銀行に追い出されて以来、旗がはためいたためしはない。トムは懐中電灯を片手に家
の周りを一巡りすると、ある窓の前で立ち止まった。2枚の板が×の字に打ち付けら
れてある。「ほら、ここさ」。口笛を吹きながら1枚の板を持ち上げて、彼は台所に
滑り込んだ。・・・(本文より)
▼URL:http://www.diplo.jp/articles09/0908-3.html
■ 経済成長からの脱皮を思考する人々
エリック・デュパン(ジャーナリスト)
「decroissance」という概念が、フランスで市民権を得るようになった。下記で
「縮退」と訳したこの言葉は、「croissance」に否定辞を付けた新語であり、不断の
経済成長というパラダイムの批判を意味しており、エコロジストやオルターグローバ
リストたちの間だけではなく、国会の答弁でも用いられるほど広範に使われる言葉と
なった。しかし、この思想を打ち出す人々の間に、統一的な見解があるわけではな
い。それは、この概念が経済の領域を超えて、政治的、哲学的な問いを提起している
からだ。(日本語版編集部によるリード文)
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