
○「チャットモンチー レストラン メインディッシュ」(2008)
ニューシングルと同時にリリースされた2枚組DVD。
ディスク1に2008年4月1日の武道館公演をフル収録し、ディスク2にはそれ以外の会場でのライヴをダイジェスト収録してある。
なんて幸せな映像、幸せな音楽なんだろう。
武道館にメンバー三人が登場し、観客席を通り抜けてステージに上がり、「ハナノユメ」を演奏し始める。もうそれだけでうるうるきてしまう。だって、橋本絵莉子、福岡晃子、高橋久美子、それぞれがそれぞれ、実に楽しそうに演奏しているのだから。
で、二曲目には名曲「ツマサキ」が。そのせつなさにぼーっと浸る間もなく次々と曲は進み、気がつけば最後まで。
ゲストもサポートミュージシャンもなしに、徹頭徹尾三人で演奏するというその心意気がすがすがしい。そして、三人が出す音だけで武道館の空気は変わる。いやほんとこれぞロックバンドだよ。
橋本のソリッドなギター、福岡のよく動き回るベース、高橋のパワフルなドラムスをたっぷりと目と耳で楽しむことができるのも嬉しい。特に高橋のドラムスは眼福としかいいようがない。彼女がどれだけ素晴らしいプレーヤーなのかは、「風吹けば恋」1曲を見るだけで理解できると思う。絶妙な「押し」と「引き」。抜群の安定感。今の日本で一番好きなドラマーかもしれんなあ。
ディスク2には、小~中規模会場でのライヴが収録されているのだが、武道館の開放的な映像を見たあとでは、少々きゅうくつに感じてもしまう。
でもこちらには、武道館では演奏されなかった曲があれこれと収録されている。「小さなキラキラ」とか「ミカヅキ」とか「意気地アリ」とか。「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」は、こっちの演奏の方が上かもしれないぞ。
で、ラストに収録された「サラバ青春」がまたいいんですよ。イレギュラーな編成が、単なる飛び道具に終わっていないんだもの。
ああもう。これ以上何を書けばいいのか。
とりあえず、日本ロック史に残る名作DVDに認定しとく。
▼夢が夢でなくなる瞬間 ~徳島発 チャットモンチー かけぬけるよ武道館~
(TVで放映されたドキュメンタリー)
むぅ、そこまで。
確かにシンセやSE抜きの骨太なライブいいですよね~
世の常として、いずれはいろいろ付け加えたりしそうな気もするので、このスタイルは今だけしか見られないかもしれません。