日本人だから、初詣はしておかなくてはならないなと思いつつ、あっという間に1月5日である。
初詣は7日までにということで、遠出はせずに近所の神社を参詣。本日の午前中のことだ。 その名は「高根神明社」。
神楽で有名(?)な神社だが、もともと伊勢神宮に寄進された荘園だった「夏見御厨」(なつみ・みくりや)であったこの地に設置された、平安時代後期からある由緒ある(?)ものらしい。
神社の森の隣の丘には「取掛西貝塚」という一万年前の縄文遺跡の残るこの土地は、弥生時代から村落があることが確認されている。御厨は室町時代まで存在したことが確認されており、江戸時代はこの地は幕府の直轄領であった。
なぜこの神社かというと、鳥居の前の木に「藁蛇」(わらへび)が巻かれているから。巳年でへび年だから、すこしでも蛇にちなんだ神社にしておきたいからね。さすがに三が日は終わっているので、人影は皆無。地域の神社らしく、観光地ではないので静寂なのがよい。
「藁蛇」は、稲藁(いなわら)で編んだ蛇。魔除けの意味がある。道祖神などとおなじ機能をもたされた、地域を守る「藁蛇」。稲刈りが終わった秋に、あたらしい藁蛇が設置されるので、正月になるとちょっとくたびれているね(笑)
千葉県船橋市内には、「藁蛇」のある神社はほかにもあって、いくつか実見している。龍なのか蛇なのか、一見しただけではわかりにくいが、ヒゲがないから蛇なだとわかる。
そもそも、奈良の美輪にある大神神社(おおみわじんじゃ)に限らず、日本人の原初的信仰が脱皮する蛇であったことは、民俗学者の吉野裕子氏が説得力ある議論をしている。
この点については、『蛇 日本の蛇信仰』などを読むといい。そもそも神社のしめ縄は蛇を模したものであり、正月の鏡餅は、とぐろを巻いた蛇の形を模したものだ(!)など、思わずへえ~と言いたくなるような話が満載だ。となると、この藁蛇というのは、素朴な形でのしめ縄の原型といってもいいのかもしれないな、と。
巳年は蛇の年。脱皮する蛇のように、なんども「リ・クリエーション」(再創造)するマインドセットで臨みたい。
(画像をクリック!)
<ブログ内関連記事>
(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)
end