今年も数多く刊行された、マーケティングに関する書籍。MarkeZine編集部でも新刊タイトルをチェックし、その中からお薦めの書籍を独自に選定してご紹介してきました。2024年はどのような本の紹介に読者の注目が集まったのでしょうか?
2024年1月1日~2024年12月25日の間に掲載した記事を独自に点数付けし、ランキング化しました。本稿では、上位5位までを発表します。MarkeZineのお薦めの書籍から2024年のマーケティングトレンドを振り返ってみてください。
「データ分析」や「コミュニケーション設計」に関する書籍に注目が集まる
第1位 『その決定に根拠はありますか?』データに基づいたマーケティングの第一歩を踏み出すなら【お薦めの書籍】
1位となったこちらの書評で取り上げられていた書籍は、マーケティングリサーチャーの山本寛氏と秤の代表取締役社長である小川貴史氏が執筆した『その決定に根拠はありますか? 確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング』です。
この書評への高い注目度から、スキルアップを目指す多くのマーケターがエビデンス・ベースド・マーケティングの概念やその実践に深い関心を寄せているとわかります。
第2位 カスタマージャーニーマップはもう古い?SNS時代の“ビンゴ型”コミュニケーション設計【お薦めの書籍】
2位は、横山隆治事務所(シックス・サイト)の代表や、ベストインクラスプロデューサーズの取締役、CCCマーケティングのエグゼクティブアドバイザーを務める横山隆治氏と、ソーシャルメディアマーケティング事業を行うトレンダーズが共同で執筆した書籍『SNSから抽出するパーセプションでつくる ビンゴ型コミュニケーションプランニング』を紹介した書評です。
同書では、SNSの普及にともない変化した現在の人々の購買行動に最適化したコミュニケーション設計「ビンゴ型コミュニケーションプランニング」を解説。このランクインから、顧客とのコミュニケーション設計に多くの方が課題を抱えていることや、従来とは異なる戦術へのニーズが伺えます。
第3位 パレートの法則は本当に正しい?エビデンスを基にマーケティングの「当たり前」を見直そう【お薦めの書籍】
3位は、コレクシアのコンサルティング事業部で執行役員を務める芹澤連氏が執筆した『戦略ごっこ―マーケティング以前の問題』の書評です。
同書では、我々が「当たり前」ととらえているマーケティングの常識が本当に正しいのかを、論文や研究のエビデンスを基に検証。1位の書評と同様に、エビデンスに基づく論理的な手法に関心が高まる様子が伺えました。
第4位 “市場弱者”の小さな会社が売れる仕組みを作るには?マーケティング戦略思考3つのルール【お薦めの書籍】
4位は、みんなのマーケティングの代表や、KACHIの取締役を務める久野高司氏による書籍『小さな会社の売れる仕組み』の書評です。本書は、売れるための仕組みを作る「マーケティング戦略思考の基礎」をシンプルな言葉でわかりやすく解説。SMB領域の企業で働くマーケターからの強い注目が伺えました。
第5位 行動科学で「購買行動」を変える!心理バイアスのマーケティング活用術16と2分の1選【お薦めの書籍】
5位は、ケンブリッジ大学モラー研究所アソシエイトに所属し、行動科学をマーケティングに応用する専門家として活用するリチャード・ショットン氏による著書『自分で選んでいるつもり 行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス』の書評です。
マーケティングの打ち手に新たな視点をもたらす「行動科学の16と2分の1個のアイデア」が紹介されている本書。こちらがランクインしたことで、消費者の行動原理を正しく理解する手法や、より良いマーケティング施策を行うための考え方といった本質的なテーマに立ち戻り、関心を寄せるマーケターも多かったようです。
マーケターとしてスキルアップする上で参考にしたい書籍ばかりです。ぜひ、年末年始の休暇を活用して読んでみてください。