『おむすび』制作陣も涙した緒形直人&仲里依紗による“Restart” “忘れる”ことの大切さ
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NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
第17週「Restart」では、ショッピングセンター建設に反対するさくら通り商店街の人々が、名物メニューの開発に奮闘。一方で、阪神・淡路大震災で娘の真紀(大島美優)を失った渡辺孝雄(緒形直人)は、日々を生きるうちに自分の中から真紀が消えてしまうと、恐怖と罪悪感に苛まれていた。
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真紀を忘れてしまうかもしれない。そう不安にかられていたのは、歩(仲里依紗)もまた同じ。だが、そんな歩を励ましたのは、母・愛子(麻生久美子)の「忘れるって、そんなに悪いことじゃないと思うけど。その分、自分が前に進めてるってことでしょ」という言葉だった。
第17週の演出を担当した盆子原誠は、このセリフの背景にNPO法人阪神淡路大震災『1.17希望の灯り』設立者で、本作に太極軒のマスターとして出演する俳優・堀内正美の存在があったと明かす。
「堀内さんと親しいご遺族の方が、“忙しくて月命日を忘れてしまった時がある”ということをすごく悔やんでいらっしゃったと。でも、堀内さんは『一方で、忘れることで傷が回復している。自分たちが日常に一歩近づいている、ということなんだと思う』とおっしゃっていて。僕は実際に家族をなくしたわけではないのですべては理解できませんが、その言葉にすごく納得したんですよね。それを脚本の根本(ノンジ)さんにお話ししたところ、愛子さんのセリフとして物語に落とし込んでくれました」(盆子原)
真紀と過ごした“家”にこだわり続けてきた孝雄は、歩からもらった真紀の肉声テープ、さらには「うちのお父ちゃんならどこに行っても大丈夫やもん。日本一の靴職人なんやもん」という娘の思いを胸に、シューズブランドとコラボすべく東京行きを決意する。
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第85話では、真紀の墓前で別れの挨拶を交わす歩と孝雄が印象的に描かれたが、同シーンについて盆子原は「なるべく余計な演出はせず、緒形さんと仲さんにお任せすることにしました。2人の関係も高まっていたので、それぞれの感情でお芝居をしていただいて、僕から直すようなことはほとんどありませんでした。ポジティブなRestartを象徴するシーンなので感慨深く撮影しましたし、雨続きだったロケ地が晴れてくれて本当によかったと思います」と振り返る。
制作統括の真鍋斎は「あのシーンは涙なくしては見られなかったです。もちろん仲さんもそうですが、いつも真面目な緒形さんがある意味でノッてやっていらっしゃるんですよね。ギャル化というか、妙に明るくなったりするような気持ちは、年齢を重ねるほどわかるような気もしています」とし、「僕は孝雄と同い年ですが、自分を投影できるというか。世の中はつらいことが多いけれども、その中で私たちは生きていかなければいけない。ならば、どう堪えて生きていくのか、ということを『おむすび』では全編を通して描いていますが、そこを孝雄がものすごく強く体現してくれていると感じています」と話した。