日本郵政の坂社長退任へ 政権内で批判根強く
日本郵政の坂篤郎社長(66)が退任する見通しとなった。全株式を保有する政府の複数の関係者が明らかにした。坂社長は昨年12月、斎藤次郎前社長(77)の後任として就任したが、政権交代が決まった直後の発表に、「自民党政権になることが分かっていた時で非常識」(菅義偉官房長官)などと批判が出ていた。
日本郵政は6月の株主総会で正式に坂社長の退任を決めることになる。
坂氏昇格に対して、政権内で批判は根強く、菅官房長官だけでなく、安倍晋三首相も2月、日本郵政の社長交代を6月の株主総会で要求する可能性を示唆していた。
後任として、政府は郵政民営化委員長の西室泰三氏(77)などの名前が浮上している。政府内ではなお、調整が続くとの見方がある。
坂氏は旧大蔵省(現財務省)出身。内閣官房副長官補などを歴任し、2009年10月に日本郵政副社長に就いた。郵政の上場計画策定や新規業務の申請などに取り組んだ。