中国で死者出た鳥インフル、遺伝子実験を開始 東大教授ら
中国で死者が出た鳥インフルエンザウイルスのH7N9型の危険性を探るため、ウイルスの遺伝子を操作する実験を始めると東京大学の河岡義裕教授ら世界の研究者22人が明らかにした。8日付の英科学誌ネイチャーと米科学誌サイエンスに発表した。
H7N9型ウイルスは中国で発生。130人を超す感染者が確認され、うち43人が死亡した。現在はほぼ収まっているが、冬に再び現れて流行する可能性もある。これまでの研究で、遺伝子が変異して人間の体内で増殖しやすいタイプになったことが分かっている。
河岡教授によると、遺伝子を操作したウイルスを作り、哺乳類に感染しやすくなったり、抗ウイルス薬が効かなくなったりする遺伝子の変異などを突きとめる。遺伝子を操作したウイルスを使うため、実験に先立ち研究施設の安全性の確認などを徹底するという。