「失敗の本質」野中郁次郎氏の遺産 野性こそ創造の源泉
本社コメンテーター 中山淳史
「空気の支配、縦割り組織、異質性の排除、不都合情報の隠蔽――。一言で言えば、成功体験への過剰適応だ。過去の成功から脱却できず、むしろ過度に適応しすぎて内外環境の変化に対応できない。それを表現した」
1月25日に亡くなった一橋大学の野中郁次郎名誉教授(知識経営論)は生前、今も読み継がれる著書「失敗の本質」(1984年、共著)についてこう語っていた。旧日本軍が失敗を重ねた真因を探った名著で、「失われ...
自動車、電機など産業動向、経営トレンドに精通。編集委員、論説委員などを経て2017年2月より現職。「GEと東芝」「移動の未来」などで講演多数。2001年の米同時テロをニューヨーク駐在時に取材。アルゼンチン留学も。