単射とは? わかりやすく解説

たん‐しゃ【単射】

読み方:たんしゃ

数学で、集合Aから集合Bへの写像で、A異な要素にはB異な要素対応するもの。一対一写像


単射

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 20:50 UTC 版)

数学において、単射(たんしゃ、: injection, injective mapping)とは、相異なるの値が相異なる写像のことをいう。一対一写像(いったいいちしゃぞう、: one-to-one mapping)ということもある(紛らわしいが、これは全単射を意味する一対一対応とは異なる)。

単射であり全射でない写像 f: AB の例。
全単射 f: AB の例。

定義

集合 A を定義域、集合 B を終域とする写像 f: AB が条件

全射であり単射でない写像 f: AB の例。

正の実数 x に対して、その自乗 x2 を対応させる写像 f: R+R は単射である。ただし、正の実数全体のなす集合を R+ と表した。実際、x, y > 0 で x2 = y2 ならば、x = y となる。

全射でも単射でもない写像 f: AB の例。

ところがひとたびこれの定義域を実数の全体 R に拡張すると、これは単射でなくなる。実際、x, yRx2 = y2 ならば、y = ±x となるから、x2 はちょうど二つの元 ±x の値となっている(ただし 0 は 0 だけの値である)。

幾何学的な例としては、曲線 γ: IR2 が単射であるとき、これは単純曲線と呼ばれる。一方でデカルトの葉線などのように自己交叉する曲線は単純でない。

集合 A とその部分集合 B が与えられるとき、B の元 b (これはもちろん A の元でもあるので)を A の元としての b 自身に対応させることで、BA に包含させる写像、包含写像(ほうがんしゃぞう、inclusion

合成写像が単射ならば、先の写像は単射であるが、後の写像は単射とは限らない。
  • 単射の制限は単射である。単射の拡張は単射であるとは限らない。
  • 二つの単射の合成は単射である[4]
  • 二つの写像の合成
を可換にする写像 g : BQ が存在することである。もし ABh : AB が包含写像ならば、これは A 上の写像が常に B 上の写像に拡張できることを意味する。
  • X, Y を集合、f: XY を写像とするとき、次は同値である:
(1)

単射

出典:『Wiktionary』 (2021/11/24 21:53 UTC 版)

名詞

たんしゃ

  1. (集合論) 始域異な要素終域の同じ要素へと対応するとがない写像始域の別々の要素指定すれば、必ず終域の別々の要素へと対応する写像始域集合A とし、終域集合B とするとき、写像 f: AB が単射であればA任意の2つ要素 a1, a2A に対して f(a1) ≠ f(a2) が満たされる
  2. 火器から一発ずつ発射すること。

語源

対義語

関連語

翻訳

語義1



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