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数理的解説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 16:19 UTC 版)

誕生日攻撃」の記事における「数理的解説」の解説

詳細は「誕生日のパラドックス」を参照 次のような実験考える。 H {\displaystyle H} 個の値の集合から n {\displaystyle n} 個の値を一様かつ無作為に選ぶ(重複ありうる)。この実験少なくとも1つの値が2回以上選ばれる確率を p ( n ; H ) {\displaystyle p(n;H)} とする。この確率次のように概算できる。 p ( n ; H ) ≈ 1 − e − n ( n − 1 ) / ( 2 H ) ≈ 1 − e − n 2 / ( 2 H ) {\displaystyle p(n;H)\approx 1-e^{-n(n-1)/(2H)}\approx 1-e^{-n^{2}/(2H)}} 衝突発見する確率を p {\displaystyle p} 以上とするとき、行わなければならない試行回数下限を n ( p ; H ) {\displaystyle n(p;H)} とする。すると、上の式から次のような近似得られる。 n ( p ; H ) ≈ 2 H ln1 1 − p {\displaystyle n(p;H)\approx {\sqrt {2H\ln {\frac {1}{1-p}}}}} 衝突発生確率0.5とすると、次のうになる。 n ( 0.5 ; H ) ≈ 1.1774 H {\displaystyle n(0.5;H)\approx 1.1774{\sqrt {H}}} 最初の衝突発生するまでに行わなければならない試行回数を Q ( H ) {\displaystyle Q(H)} とする。この近似次のうになる。 Q ( H ) ≈ π 2 H {\displaystyle Q(H)\approx {\sqrt {{\frac {\pi }{2}}H}}} 例えば、64ビット暗号学的ハッシュ関数使っている場合、約 1.8 × 1019 個の異な出力ありうる。これらが全て同じ確率発生する場合最良ケース)、約 5.1 × 109 回の試行衝突発生させることができる。この値を birthday bound呼び、n-ビット符号についての birthday bound は 2 n / 2 {\displaystyle 2^{n/2}} となる。他の例次のうになるビット出力個数(H)衝突発生確率 (p)10−1810−1510−1210−910−60.1%1%25%50%75%32 4.3 × 109 2 2 2 2.9 93 2.9 × 103 9.3 × 103 5.0 × 104 7.7 × 104 1.1 × 105 64 1.8 × 1019 6.1 1.9 × 102 6.1 × 103 1.9 × 105 6.1 × 106 1.9 × 108 6.1 × 108 3.3 × 109 5.1 × 109 7.2 × 109 128 3.4 × 1038 2.6 × 1010 8.2 × 1011 2.6 × 1013 8.2 × 1014 2.6 × 1016 8.3 × 1017 2.6 × 1018 1.4 × 1019 2.2 × 1019 3.1 × 1019 256 1.2 × 1077 4.8 × 1029 1.5 × 1031 4.8 × 1032 1.5 × 1034 4.8 × 1035 1.5 × 1037 4.8 × 1037 2.6 × 1038 4.0 × 1038 5.7 × 1038 384 3.9 × 10115 8.9 × 1048 2.8 × 1050 8.9 × 1051 2.8 × 1053 8.9 × 1054 2.8 × 1056 8.9 × 1056 4.8 × 1057 7.4 × 1057 1.0 × 1058 512 1.3 × 10154 1.6 × 1068 5.2 × 1069 1.6 × 1071 5.2 × 1072 1.6 × 1074 5.2 × 1075 1.6 × 1076 8.8 × 1076 1.4 × 1077 1.9 × 1077 この表は、指定した確率衝突発生させるのに必要な試行回数示している(各ハッシュ値発生確率等しいと仮定)。ちなみに 1018 から 1015一般的なハードディスク訂正できないビット誤り発生する確率である。したがって128ビットMD5文書チェックサムとして使用する場合、8200億個の文書までならハードディスクでの誤り発生確率範囲内に収まると言える実際にはもっと多数ハッシュ値生成できる)。 関数出力一様に分布しない場合衝突をもっと早くつけられることは容易に想像がつくハッシュ関数の「バランス」の観念は、誕生日攻撃への関数耐性定量化し、MDSHAなどのよく知られハッシュ脆弱性見積もることを可能にする。

※この「数理的解説」の解説は、「誕生日攻撃」の解説の一部です。
「数理的解説」を含む「誕生日攻撃」の記事については、「誕生日攻撃」の概要を参照ください。

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