盟主
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 09:25 UTC 版)
“祭礼の蛇(さいれいのへび)”伏羲(ふっぎ) 声 - 速水奨 男性の“紅世の神”。炎の色は黒。この炎は通常とは違い、闇と区別がつかないような「輝かない炎」であり、「全てを染め上げ塗り潰す」とも形容され、その炎に照らされた物体は銀色の影を落とす。II巻からその存在が語られ、坂井悠二の夢に「真っ黒な悠二」として登場、XIV巻で仮の帰還を果たした。[仮装舞踏会]盟主。『天裂き地呑む』化け物とまで称される伝説の存在。 かつての中国での通名である伏羲は、仮の帰還を果たした際に「汚名に等しき通名」として捨てた。 その姿は、見る者に等しく畏怖と崇敬を抱かせる、銀色の目を持つ巨大な黒い蛇。強大な“王”ですら及びもつかない、常識の尺度から遥かに外れた圧倒的な力を持つ。 悠二曰く「いつも誰かの望みを叶えたくてウズウズして」いるとのこと。その特性上望まれることは何でもできるが、望まれない事は何も出来ない。また自身を「欲望の肯定者」と称し、大度にして無邪気。また、誰かの望みを叶える以外のことに興味はなく、融合後の悠二にも自由な行動を許していた。 “紅世”の世界法則を体現する超常的存在である『神』の一柱、“紅世”の『創造神』。神威召還時の御言葉は“祭基礼創”。その権能は「造化」と「確定」。踏み出し見出す力を司り、新たなものや流れを作り出す、始まりの神。“紅世の徒”の望みが一つの形に結実したときに現れその望みを叶える存在(一般的な神話宗教の創造神というよりは、願掛成就の神に近い)。言うなれば、創造神は創造神でも「これから作り出す神」。公式ガイドブック完結編『灼眼のシャナノ全テ 完』では「造物主だがゴッド(神)ではない方」とされている。 始まりの神の権能ゆえに新たな発見に溢れたこの世に興味を持ち、数千年前に『三柱臣』と共にこの世に現れ、良し悪しに関係なく求められるままにこの世の“徒”達に多くのものを齎した。 その後、都『大縛鎖』とそれを監視する宝具『玻璃壇』を作って世界の変革を行おうとした(当時それを願った“徒”については詳細不明)ため、阻みにきた古のフレイムヘイズ達との壮絶な死闘の末に、「この世や“紅世”へ到達するために必要な指標」が遮断された状態でこの世と“紅世”の狭間に放逐された(秘法『久遠の陥穽』)。この際、逃れられないと悟るや、この世に残る“逆理の裁者”ベルペオルの右目を『旗標』として受け取り、また『久遠の陥穽』を創造神の力で構造変容させて、共に巻き込まれた最古のフレイムヘイズたちの『久遠の陥穽』を作動させ続ける“存在の力”を、ほんの微か自分にも流れ込むよう改変した。 このときの戦いは『神殺し』の御伽話として、かつて「支配」というものに興味を覚えた“祭礼の蛇”が、『大縛鎖』を作った途端にフレイムヘイズ達に袋叩きにされ「一発昇天」した、と後世に伝えられた(II巻より)。また、実際にはこの世から「放逐」されただけだが、詳細を知らない後世のフレイムヘイズたちには「討滅」されたものと認識されていた。 両界の狭間では、神体から力の大部分を結晶として切り離して青銅塊に変化させ自身の神床である『祭殿』へと形成し、黒い蛇骨のみとなった神体をその中で休眠させた。一方で、最古のフレイムヘイズたちから得た減じない“存在の力”を、精神活動にて、休眠させた神体とこの世を繋ぐ道である『詣道』や、この世における自身の代行体を構築するための自在式『大命詩篇』の創造に当て、『旗標』を磁針としてこの世に残る“頂の座”ヘカテーへ『大命詩篇』を送り続け、数千年の間、帰還の時を待ち続けていた(XIX巻より)。 こうして現代に至り、『大命詩篇』が打ち込まれた宝具『零時迷子』を通じて坂井悠二を観察する。やがて「フレイムヘイズと“徒”の戦いを終わらせたい」という彼の願いを同調可能な思考と判断、自身と共に歩む唯一の“人間”と認め、自身のもうひとつの体となる「代行体」に悠二の意識を残す形で、彼と融合した。そして代行体“祭礼の蛇”坂井悠二らの手によって遂に覚醒・復活し、この世への帰還を果たした(XIX巻)。 しかし、再構成したばかりの神体は『詣道』を踏破するという強行軍に加えて、両界の境である『神門』を潜り抜けたことで微妙な軋みをあげており、ヘカテーによる神体顕現の安定化作業によって中国南西部の決戦が終わる頃には五割方安定した模様。そして各軍との合流などの準備が整い次第、生き残りのフレイムヘイズの掃討を行いつつ悠二や『三柱臣』たちと共に御崎市に向けて出発した(XX巻)。 御崎市に向かうまでは『秘匿の聖室』で姿と気配を隠蔽し、『星黎殿』の到着間近に吉田一美を迎え入れ、新世界『無何有鏡』創造の前段階として『調律』の逆転印章を起動させた。『星黎殿』が『真宰社』に変形してからは、“祭礼の蛇”神体はその上空でヘカテーを取り巻く『大命詩篇』の繭の周囲で環を作り、代行体である坂井悠二はシュドナイを護衛に、防衛線を抜けてきたシャナたちと交戦に入った(XXI巻)。そして、午前零時に神威召喚“祭基礼創”を発動し、広がった両界の狭間への隙間に黒い螺旋状の入り口である『天梯』を創造し、シャナたちが新世界の卵に撃ち込んだ『コルデー』に仕込まれた『大命詩篇』によって改変された「人を喰らえない理」を“徒”たちと共に受け入れた為、そのまま新世界『無何有鏡』創造を達成した。新世界『無何有鏡』完成後は惜しみながらも悠二と分離。フレイムヘイズとアラストールに人を喰らえない理が新世界に組み込まれた事を告げ、ベルペオルと共に新世界『無何有鏡』へと旅立ち、一時の眠りに入った(XXII巻)。 創造神“祭礼の蛇”を阻み討滅することが出来るのは、彼と同格の存在である天罰神“天壌の劫火”アラストールのみであり、“祭礼の蛇”神体が帰還すれば、[仮装舞踏会]の勝利は確定するとされていた。 一般の構成員には代行体が完成して後の大命布告まで「遊行無頼に耽り不在」と説明されていた。 かつての性格は、フリアグネ曰く「すごくすごく偉い……でも、とてもとても変で、とてもとても甘い……ああなっても仕様がなかった……」との事だった。 伏羲は、古代中国神話に登場する神または伝説上の帝王。 第三期アニメに登場した。 “銀” 『弔詞の詠み手』マージョリー・ドーが追い求める仇敵。銀の炎を吹き上げる歪んだ西洋鎧の姿をしている。名前も正体も不明であり、炎の色が銀であることから“銀”と呼ばれる。人間時代のマージョリーの前に現れ、鎧の隙間からは無数の虫の脚が這い出させ、まびさしからは無数の嘲笑に染まった目を覗かせながら、マージョリーの周りの人間全てを殺し喰い尽くした後に忽然と消えた。 その正体は、『久遠の陥穽』に放逐された“祭礼の蛇”の代行体を作るための装置の一つ『暴君II』が発生させる現象にして分身。『暴君II』は代行体の核となる“祭礼の蛇”の意思と共振し再現する「仮想意思総体」を完成させるために、人間の強い感情を収集する役割がある。強い感情に反応して『暴君II』は当該地に分身を転移させ、感情に伴う行動を真似ることで、その感情を写し取り『人格鏡像』として採取する機能が付いており、その分身が正体不明の“徒”・“銀”として認識されていた(炎の色の銀は、“祭礼の蛇”の黒い炎が作る影の色)。マージョリーの前に現れたのも彼女の感情をコピーするためであり、嘲笑の目で彼女の周囲の人間を殺し尽くしたのも(感情をコピーするために)彼女がやりたかったことを代わりに実行しただけであった。 代行体である“祭礼の蛇”坂井悠二には『暴君II』が補助武装として組み込まれており、その多重顕現機能を利用して“銀”を自身の意思で多数生み出し自在に操っていた。 御崎市決戦で“探耽求究”ダンタリオンが消滅した際、それに伴って『暴君』も機能を停止し、使えなくなった(XXII巻)。 第一期アニメではマージョリーの回想の中で姿だけ登場した。第二期アニメから実体が登場した。
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