虹彩
虹彩
虹彩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/02 16:21 UTC 版)
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虹彩 | |
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![]() ヒトの虹彩の一例(薄茶色の部分)。中心の黒い円形の部分は瞳孔。 | |
![]() 眼球の断面図 | |
英語 | Iris |
器官 | 感覚器 |
動脈 | 長後毛様体動脈 |
神経 |
長毛様体神経 短毛様体神経 |
虹彩(こうさい、英: Iris)は、脊椎動物及び軟体動物頭足類の目において、角膜と水晶体の間にある薄い膜のことである。瞳孔の大きさを調節して網膜に入る光の量を調節する役割を持つ。瞳孔がカメラの絞りの開口部に相当する。
特徴
虹彩は、目で色のついた部分である。中央には穴(瞳孔)があり、虹彩の中の平滑筋の働きにより、穴を大きくしたり小さくしたりして、網膜に入る光の量を調節する。ヒトの場合、虹彩の模様が個体によって違うことが知られており、このことを利用して個人認証を行なう場合がある(虹彩認証)。
また、上記とは逆に虹彩の模様から健康状態を分析する手法(虹彩分析)もある。
虹彩の色
虹彩の色は、メラニン色素の量で決まる。通常、「目の色」といった場合は虹彩の色を指す。ここでは、ヒトの虹彩の色について述べる。
- 濃褐色(ブラウン)
- 最もメラニン色素が多い色でもある。最も多い色であり、どんな人種にも見られる色である。個体差もあるが、アフリカ系、アジア系のヒトのほとんどは濃いブラウンで、「黒」と見られる場合も多い。日本で、「目が黒いうちに」と言われるのは、日本人のほとんどは濃いブラウンの虹彩であることに由来する。明るいブラウンのヒトも多いが、濃いブラウンほど多くはない。
- 青(ブルー)
- 世界でブラウンの次に最もありふれた色である。北部ヨーロッパなど、日照量の少ない地域に多く、特にフィンランドやリトアニアでは80%以上がこの色である。アイルランド、イギリスでも多い。その他、中東や中央アジアの高地でも見られる。アメリカ合衆国系の白人にも、高い割合で見られるが、これは移民の子孫と見るのが妥当であろう。
- 白人の場合、生まれた当初はブルーで、その後成長するにつれ違う色になる場合が多い。これは、生まれた当初はメラニン色素の沈着が進んでいないためである。
- 淡褐色(ヘーゼル)
- ブラウンとグリーンが混ざった色であるが、おおむね「明るいブラウン」と見なされる色である。ブラウンに次いでメラニン色素の量が多い。中部ヨーロッパ及びスラブ系の人種に多い。少数ながら日本でも確認される。日本では南西日本の特に九州地方に偏在している。
- 灰色(グレー)
- ブルーのバリエーションと考えられる色で、ブルーよりややメラニン色素の量が多い。やはり白人に多い。
- 緑(グリーン)
- ケルト系、ゲルマン系、スラブ系、ハンガリー系に見られるが、数はあまり多くない。中東、中央アジアの白人にも見られる。メラニン色素の量は、ヘーゼルより少なく、ブルーより多い。
- 赤(レッド)と青紫(バイオレット)
- フラッシュ撮影では、赤目現象が発生することがある。この現象では、フラッシュの明るい光が血管の多い網膜に直接届き、瞳孔が赤く写る。この現象が重度の先天性白皮症(アルビノ)の人々の目で起こると、大量の色素の欠如のため、虹彩も赤く写ることがある。女優のエリザベス・テイラーのように深い青の目を持つ人は、照明やメイクなどによっては紫色に見えることもあるが、「本当の」紫の目はアルビノによってのみ起こる。
- 虹彩異色症(オッドアイ)
- 詳細は「虹彩異色症」を参照
- 極めて稀であるが、左右の虹彩の色が違う、もしくは虹彩の一部の色が異なる場合がある。これを虹彩異色症(いわゆるオッドアイ)という。
参考文献
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関連項目
外部リンク
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虹彩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:19 UTC 版)
眼杯の前縁とその周囲の間葉は眼杯の内側へ進出して、水晶体を部分的に覆う。このことにより、虹彩を生じる。虹彩筋は、神経堤由来の平滑筋である。虹彩の血管や結合組織は間葉由来である。
※この「虹彩」の解説は、「目」の解説の一部です。
「虹彩」を含む「目」の記事については、「目」の概要を参照ください。
虹彩
出典:『Wiktionary』 (2021/08/07 00:51 UTC 版)
名詞
発音(?)
- こ↗ーさい
翻訳
- アイルランド語: imreasc (ga) 男性, inteachán (ga) 男性, seall (ga) 男性
- アラビア語: قُزَحِيَّة (ar) 女性
- アルメニア語: ծիածանաթաղանթ (hy), ակնածիածան (hy)
- イタリア語: iride (it) 女性
- ヴォラピュク: lirid (vo)
- 英語: iris (en)
- オランダ語: regenboogvlies (nl) 中性, iris (nl) 男性
- カタルーニャ語: iris (ca) 男性
- ギリシア語: ίρις (el) 女性, ίριδα (el) 女性
- クメール語: ប្រស្រី (km) (prɑsrəy), អក្ខិ (km) (akkʰe’), កែវភ្នែក (km) (kaev pnɛɛk), អក្សិតារា (km) (akse’ taaraa)
- グルジア語: თვალის გარსი (ka), ფერადი გარსი (ka)
- スウェーデン語: iris (sv) 通性, regnbågshinna (sv)
- スペイン語: iris (es) 男性
- スロヴェニア語: šarenica (sl) 女性
- セルビア・クロアチア語: iris (sh), šarenica (sh), dužica (sh) 女性
- タガログ語: alikmata (tl)
- チェコ語: duhovka (cs) 女性
- 中国語: 虹膜 (cmn) (hóngmó), 虹彩 (cmn) (hóngcǎi)
- 朝鮮語: 홍채 (ko)
- デンマーク語: regnbuehinde (da), iris (da) 通性
- ドイツ語: Iris (de) 女性, Regenbogenhaut (de) 女性
- トルコ語: iris (tr)
- ナヴァホ語: anázhiin (nv)
- ハンガリー語: szivárványhártya (hu), írisz (hu)
- ビルマ語: မျက်ဝန်း (my), မျက်နက် (my)
- フィンランド語: värikalvo (fi), iiris (fi)
- フェロー語: lithinna (fo) 女性
- フランス語: iris (fr) 男性
- ペルシア語: عنبیه (fa) ('enabiye)
- ポーランド語: tęczówka (pl) 女性
- ポルトガル語: íris (pt) 男性
- マオリ語: tiwha (mi)
- マケドニア語: рожница (mk) 女性, шареница (mk) 女性
- ラトヴィア語: varavīksnene (lv) 女性
- ルーマニア語: iris (ro) 中性
- ロシア語: радужная оболочка (ru) 女性, ирис (ru) 男性
「虹彩」の例文・使い方・用例・文例
- 目の正面部分の検査で、虹彩が角膜に触れる角度を調べるもの
- 目の虹彩の一部の外科的除去により閉塞隅角緑内障を治療する目の手術
- 瞳を拡大させるかあるいは閉じた角度の緑内障を治療するために目の虹彩の切開を行なう外科的処置
- 動向を小さくさせる明るい光(または特定の薬薬物)に対応した虹彩の括約筋の反射収縮
- 筋肉が虹彩を外側に引っ張る時の、反射的な瞳孔の拡張
- 米国で一般的なユキヒメドリの小鳥で、灰色の羽毛と暗褐色の虹彩を持つ
- 赤い虹彩と腹部が白く薄緑色がかった灰色の体をした北米北部の
- 褐色の虹彩…黄色の斜線の入った−ウィラ・キャザー
- 目の虹彩の近くに位置する、それに関する、またはそれの
- 眼の虹彩の、または、眼の虹彩に関する
- 脈絡膜と虹彩の間にある眼の被膜部分
- 虹彩、毛様体、脈絡膜を含む眼の部分
- 目の虹彩の中央の収縮開口
- 目の虹彩の後である両凸の透明体
- 虹彩を囲む平滑筋の輪
- 目の虹彩を調べることによるバイオメトリック認証
- 虹彩の構造は、非常に特徴的である
- 外傷、手術、緑内障や白内障の合併症で生じる虹彩、水晶体、角膜の癒着
- 虹彩と角膜の癒着
- 虹彩と水晶体の癒着
虹彩と同じ種類の言葉
- >> 「虹彩」を含む用語の索引
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