観測可能な宇宙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/24 02:42 UTC 版)
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直径 | 8.8×1026 m or 880 Ym (28.5 Gパーセク or 930億光年)[1] |
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体積 | 3.566×1080 m3[2] |
重さ | 1.5×1053 kg[注釈 1] |
密度 | 9.9×10−27 kg/m3 (1立方m内に6個の陽子が存在するのに等しい)[3] |
年齢 | 137.87±0.20 億年[4] |
平均温度 | 2.72548±0.00057 K[5] |
中身 |
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ビッグバン宇宙論でいう観測可能な宇宙(かんそくかのうなうちゅう、observable universe)とは、中心にいる観測者が領域内の物体を十分に観測できるほど小さい、つまり、ビッグバン以後のどの時点でその物体から放出された信号であっても、それが光速で進んで、現在の観測者のもとに届くまでに十分な時間があるような球状の空間領域である。宇宙のどの場所にもその場所にとっての観測可能な宇宙があり、それは地球を中心とするものと重なる部分も重ならない部分もある。
概説
「観測可能」ということは、現代の技術でこの領域内の物体から放射されたエネルギーが検出できるかどうかとは無関係であり、その物体からの光やその他の放射エネルギーが地球上の観測者のもとに到達することが原理上可能だという意味である。実際に観察できるのは、宇宙が晴れ上がった「最終散乱面」にある物体までである。晴れ上がる前の宇宙は、光子に対して不透明であった。しかしながら、重力波(やはり光速で移動している)の検出によって、それ以前の情報を推定することもできないわけではない。重力波はインフレーション時代の遅くとも後期から発生しており、それによって数兆光年・あるいはそれ以上の遠方の宇宙を観測できる可能性がある(もちろんインフレーション時代の宇宙の姿の観測となる)。
観測可能な宇宙と全宇宙
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科学者から観測された事実として頻繁に発表・公表される宇宙の具体的な観測値は、あくまで観測可能な宇宙に関するものに限られている。
だが現代宇宙論の構築、宇宙のインフレーションなどの信頼できる多くの理論の説明では、観測可能な宇宙の外側に広がる広大な宇宙を含む、より巨大な全宇宙に関する考察が必要になる。
全宇宙が観測可能な宇宙よりも「小さい」ということも、もちろん可能である。その場合、非常に遠くにあるように見える銀河が、実は近くにある銀河の光が宇宙を一周してくることによって生じた複製像だということもあり得る。この仮説を実験によってテストするのは、銀河の異なる像がその一生の異なる時代を指すこともあり、結果としてまったく違うということにもなりかねないため、困難である。2004年のある論文[8]では、全宇宙の直径は、24ギガパーセク(780億光年)が下限であると主張されており、その場合、観測可能な宇宙より少しだけ小さいということになる。この値はWMAPの観測をマッチング・サークル分析したものに基づいている。
仮に観測不可能な宇宙を含めた全宇宙が有限で閉じているとしても、観測可能な宇宙の範囲内では、曲率は無視できるほど小さいことから、宇宙全体の大きさは、光年単位を用いても「兆」などの日常的な数の尺度、あるいは命数法レベルの数の尺度ではなく、指数での表現が必要な大きさ、それもA×10Bといった単純な仮数指数表記ではなく、指数の上に指数を重ねた指数タワーでの表現が必要な大きさである。レオナルド・サスキンドは宇宙の直径を
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