出会い 露出度の高いアバターがミラーの前に集まって、バーチャルセックスの相手を品定めし合うjust H partyで、俺は「彼」に出会った。 後に教えてもらうディスコードのユーザー名をもじって、俺は彼に「ウサギさん」というあだ名をつけた。 あの頃のウサギさんは毎日のように違うアバターを着ていた気がする。見るたびに顔が違うなんて、怪盗ルパンとか怪人二十面相みたいなやつだ。まぁ、アバターも衣装もかわいいのがバンバン新発売されるから、気持ちはわかる。 ウサギさんはどうだか知らないが、俺はあのワールドでバーチャルセックスの相手を探していたワケじゃなかった。そんな勇気もコミュ力もないし、ミラーの前にたむろするエロアバターを眺めて、非現実感を味わうだけで満足だった。 小さくてかわいいアバターに手を振ってみたら、向こうも振り返してきたのが始まりだった気がする。あるいは逆だったか。なにせ数年前のことだから