■龍谷ミュージアム 特別展『極楽へのいざない-練り供養をめぐる美術-』(2013年9月7日~10月20日)
人がこの世を離れるとき、極楽浄土から阿弥陀如来とその一行が迎えにくる様子を描いた仏像・仏画、それらのイメージを背景に生まれた宗教行事「練り供養」をめぐる美術品、絵画・仮面など150件を展示。
私は、残念ながら「練り供養」の本物は見たことがない。ただ、今年5月に奈良博の特別展『當麻寺(たいまでら)』を見て、当麻寺には「人が中に入れる阿弥陀如来像」があると知って驚いたことは記憶に新しい。今回は、実際に「練り供養(迎講)」に使われている岡山・弘法寺の阿弥陀如来立像が来ていて、ビデオや写真で、その使用法が詳しく紹介されている。もう一体、同様に「人が中に入れる」タイプの阿弥陀如来像があって、当麻寺のものだと思ったけど、図録を見たら「参考図版」だった。私の記憶違いか?
それより私が面白く思ったのは、練り供養で、阿弥陀如来に救済される往生者の像。人間が仮装した菩薩たちにそっと持ち上げられ、運ばれるものだから、小さい。僧形だったり、俗人夫婦だったり、いろいろだが、いずれも小さな蓮華座の上で、殊勝に手を合わせている。これが我々人間の等身大だとしたら、阿弥陀如来って、ずいぶん巨大な存在と観念されていたんだな、とあらためて思う。ほとんど怪獣か超人だ。子どもの頃、ウルトラマンとかマグマ大使などの。強くて優しい超人ヒーローの巨大な手のひらに救い上げられることを夢見た感覚と、極楽往生の願いは、どこかでつながっていたのではないか。
ただ、来迎図の如来、菩薩像は、格別に女性的(母性的)な感じがする。斜め横顔のせいか、赤い唇の色っぽさが目立つ。一般的な阿弥陀如来のほかにも、釈迦来迎図や十一面観音来迎図、地蔵菩薩来迎図など、さまざまな来迎図があることも分かった。弥勒菩薩も来ちゃうのか。子年の私の守り本尊は千手観音だが、山越え阿弥陀如来サイズで現れたら、すごいことになるだろうな、などと、本気で想像してみる。
■四天王寺宝物館 秋季名宝展『極楽浄土へつづく道-四天王寺の浄土信仰-』(2013年9月19日~11月10日)
京都→大阪に出て、久しぶりに四天王寺に寄ってみる。四天王寺は、戦前までは天台宗だったが、現在は「和宗」を名乗っている。毎月21日は(弘法)大師会を行っており、この日も境内に露店が並んでいた。納経所で御朱印帖を出すと、おばさんに「「東寺さん行ってきたん?」と声をかけられた。
宝物館では、浄土曼荼羅や行道面よりも、十王図や六道絵のほうが印象に残った。極楽あれば地獄あり。面白かった。あと宮田雅之氏による切り絵の聖徳太子図がカッコよくてほれぼれした。
人がこの世を離れるとき、極楽浄土から阿弥陀如来とその一行が迎えにくる様子を描いた仏像・仏画、それらのイメージを背景に生まれた宗教行事「練り供養」をめぐる美術品、絵画・仮面など150件を展示。
私は、残念ながら「練り供養」の本物は見たことがない。ただ、今年5月に奈良博の特別展『當麻寺(たいまでら)』を見て、当麻寺には「人が中に入れる阿弥陀如来像」があると知って驚いたことは記憶に新しい。今回は、実際に「練り供養(迎講)」に使われている岡山・弘法寺の阿弥陀如来立像が来ていて、ビデオや写真で、その使用法が詳しく紹介されている。もう一体、同様に「人が中に入れる」タイプの阿弥陀如来像があって、当麻寺のものだと思ったけど、図録を見たら「参考図版」だった。私の記憶違いか?
それより私が面白く思ったのは、練り供養で、阿弥陀如来に救済される往生者の像。人間が仮装した菩薩たちにそっと持ち上げられ、運ばれるものだから、小さい。僧形だったり、俗人夫婦だったり、いろいろだが、いずれも小さな蓮華座の上で、殊勝に手を合わせている。これが我々人間の等身大だとしたら、阿弥陀如来って、ずいぶん巨大な存在と観念されていたんだな、とあらためて思う。ほとんど怪獣か超人だ。子どもの頃、ウルトラマンとかマグマ大使などの。強くて優しい超人ヒーローの巨大な手のひらに救い上げられることを夢見た感覚と、極楽往生の願いは、どこかでつながっていたのではないか。
ただ、来迎図の如来、菩薩像は、格別に女性的(母性的)な感じがする。斜め横顔のせいか、赤い唇の色っぽさが目立つ。一般的な阿弥陀如来のほかにも、釈迦来迎図や十一面観音来迎図、地蔵菩薩来迎図など、さまざまな来迎図があることも分かった。弥勒菩薩も来ちゃうのか。子年の私の守り本尊は千手観音だが、山越え阿弥陀如来サイズで現れたら、すごいことになるだろうな、などと、本気で想像してみる。
■四天王寺宝物館 秋季名宝展『極楽浄土へつづく道-四天王寺の浄土信仰-』(2013年9月19日~11月10日)
京都→大阪に出て、久しぶりに四天王寺に寄ってみる。四天王寺は、戦前までは天台宗だったが、現在は「和宗」を名乗っている。毎月21日は(弘法)大師会を行っており、この日も境内に露店が並んでいた。納経所で御朱印帖を出すと、おばさんに「「東寺さん行ってきたん?」と声をかけられた。
宝物館では、浄土曼荼羅や行道面よりも、十王図や六道絵のほうが印象に残った。極楽あれば地獄あり。面白かった。あと宮田雅之氏による切り絵の聖徳太子図がカッコよくてほれぼれした。