( この写真は、屋根材の取り付け工事を撮影したものです。この工事の直後に建設会社の社長
が現場を放棄します・・・・・《 2019年、2月、撮影 》 )
( ↑写真、外壁が出来つつあるのですが、壁と屋根の接続部分が雑な処理なので、後々、追加
補修の工事が必要になります・・・・・《 2019年、3月、撮影 》 )
( ↑写真、白壁でイイ感じに見えますが・・・・・・完成までの2ヵ月の間に風雨と追加工事で汚れて
しまい、全部塗り直す事になります・・・・・《 2019年、3月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その8
自宅を建てる時に、日本でしたら週に一度か二度、現場を見に行けば足りると思うのです
が・・・・・・・・・・・・
タイでは、毎日の様に現場を確認する必要があります。
そうしないと、作業員の怠業や工事ミスを防いだり出来ません・・・・・・・・・・・現場にある資材
を泥棒される事もあるのです。
2019年3月に中断し、4月に建築会社が現場放棄・・・・・・・・・
プロの建築責任者がいなくなった現場には活気が失われ・・・・・・・・人気のない酷暑の中、
ジリジリとした強い日差しとクソ暑さが・・・・・・・・
渋々、労働者への未払賃金を支払い、建築作業を再開してもらいましたが・・・・・・・・私とカ
ミさんが見習いの現場監督の様になって、ダラダラとした作業を注視しなくてはなりません
でした。
そのため、自宅だったチェンマイ市街の借家には帰れず( 現場から車で4時間かかります )、
建築現場の近くのホテルや、親類の家、友人の家を転々と宿替えする羽目になりました。
2019年の3月は、カミさんの親類の家、4月はホテルを主に利用し、5月はカミさんの友人の
家に居候しました・・・・・・・・・・・
気疲れのする・・・・・・・肩身の狭い思いをしましたが・・・・・・・・・・・これに、お金の問題が絡み
ます・・・・・・・・・・・・・・
「 天井の電気配線工事のお金をまだもらってません・・・・・ 」
「 壁材の敷設費用は別料金ですが・・・・・ 」
「 電気コンセントの施設費用がまだです・・・・・ 」
「 作業員の日当を払って下さい・・・・・ 」
「 テラスの設置費用を・・・・・ ]
「 室内工事の・・・・・ 」
お金は、毎日出ていきます。
老後の蓄えとしてとっておいた預金は、どんどん消えていきます。
もし、建築費以外に預金がなかったり、借金をしていたら・・・・・・・工事は継続できなくなり、
廃墟の様な現場の前でカラッケツのまま安いアパートを探す羽目になっていたでしょう。
この、毎日の出費によって、カミさんは人間から鬼に変わっていきます・・・・・・・・・・無理もな
い事ですが・・・・・・・・・・・連日、お金の事で喧嘩になるわけです。( 建設費のほとんどを彼女
が出しているため、私が一方的に非難されます )
いつも、お金の事で喧嘩していると・・・・・・・・・・・夫婦関係などというものは脆いものです・・・
・・・・・・・・現場を投げ出して・・・・・・・私も建築会社の社長の様に逃げる事を考えたりします。
お金の問題と同じ様に辛かったのが・・・・・・・・・・・毎日の現場作業の監視です・・・・・・・・・・・・
私とカミさんの元には毎日、作業員から多くの問題が持ち込まれます・・・・・・・・
「 トイレの設置用金具が足りません 」
「 下水設備は、どうしますか? 」
「 風呂場が小さいので、バスタブが入りません 」
「 ドア枠がないので、ドアが設置出来ません 」
「 配管の資材がありません 」
「 壁材が足りません 」
「 シリコンが足りません 」
「 ペンキが切れました 」
『 そ・・・・・そんな事、俺にど~~しろってんだよッ! 』
・・・・・・・・・・などと考えても、口には出来ず・・・・・・・・・・
毎日々々・・・・・・・・・黙って、起きる問題に即応しないと、作業がストップしてしまいます。
おまけに、作業員は全て「 欠陥工事 」「 手抜き工事 」をやっていた下請け業者の継続です。
必然的に問題が毎日出現するわけです。
ただ、安い事は間違いないのですが・・・・・・・・・・
とにかく、必要な資材は大急ぎで建築資材店へカミさんの運転で調達に向かい、土台や壁
の欠陥は誤魔化し、矛盾は隠し、穴は塞ぎ・・・・・・・・・・
こうして、最安値で応急処置を施しつつ・・・・・・・・・・
右往左往の日々を送ります・・・・・・・・・・
建築着工は11月、完成予定日は2019年4月1日・・・・・・・・・・しかし、それからさらに2ヵ月の突
貫追加工事が続きます・・・・・・・・・・
この間まで、漫画家アシスタントやってたのに・・・・・・・・・
気楽な隠居暮らしを夢見ていたのに・・・・・・・・・
なぜ、こんな所で泥まみれ汗まみれになりながら・・・・・・・・・
バケツで砂利を運んでいるんだ・・・・・・・・・・
いったい、何をやっているんだ俺は・・・・・・・・・・
『 どうなってるんだよ、これはよォ~~ッ! 』
などと、心の中で嘆いてみても・・・・・・・・・・後の祭りなわけです。
さて・・・・・・・
ズルズルとした作業の果てに、やっと完成した家には随所に問題が発生・・・・・・・それでも、
なんとか住めるには住めると・・・・・・・・・・
雨風しのげりゃ立派なもんさ・・・・・・・・
・・・・・・・てなわけで・・・・・・・
完成後の家の様子は、次回にご報告させていただきます。
「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 謹賀新年 」 へつづく・・・・
( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )
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