( この原稿は、1986年に制作したSF漫画「 AIZU2145 」の一部である。この漫画は絶望的な
戦争SFであるが、持ち込み結果も・・・・・・。《 2007年3月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その43
描いた事もないSF漫画ですが、出だしで未来都市のパノラマシーンかなん
かが出て来る様だったら( 面倒で )描けなかったかもしれません・・・・・。
ところが、私のSF漫画「 AIZU2145 」は派手な戦闘シーンで始まりますが、
その背景はただの廃墟( コンクリートの残骸! )ですから、描くのにほとん
ど苦労しなかったのです・・・!
2,3種類のロボットをデザインし、主要な登場人物である2人の少年と一人の
少女を廃墟の中に配置すれば出来上がり! 意外とスムーズに制作は進みまし
た。
「 ここは何処だ・・・・・・ 」
廃墟の中で全滅した部隊の生き残りである少年兵がつぶやきます・・・・・・
物語は明治維新の頃に悲劇的な最後をとげた会津の「 白虎隊 」をモチーフに
進行します( 私は白虎隊については何も勉強していませんでした。もし、少し
でも勉強してたら・・・もっとまともな・・・・・! )。
圧倒的に強力な敵に対して、絶望的な攻撃をするしか選択肢のない、追い詰め
られた少年たちの極限状況を描きたかった訳ですが・・・・・・
大きいだけで全然怖くない( センスの古い )ロボットと存在の意味や目的が
ハッキリしない少年たちの「 特攻精神 」が「 AIZU 」と何の関係があるのか・
・・・・・
すでに作品は破綻していたのです。 気がついていないのは・・・作者本人だ
け!
つくづく漫画を描くというのは、恐ろしい事です。 その作品に集中すればす
るほど、才能が無い事はもちろん自分の無知と誤認さえまったく自覚できない
ものなのです!
よく、漫画家志望者だけど漫画を描けない人がいますが、怠けているだけの人
は別にして、自分を客観的に見つめる事が出来る( クール過ぎる )人が多い
ように思います。
「 自分の描いている( 描いた )作品が面白くないんだよなァ・・・・・・ 」
と、自分が見えてしまうのです・・・・・・ 見えてしまい過ぎるのです。
そして、創作意欲が衰えてしまう・・・・・・。
自分の能力や感性のレベルを自覚出来る事は、必ずしも有益ではないのかもし
れません・・・・・・。
私の様な「 漫画バカ 」は、作品を「 描ききれる! 」そして、描ききった後で
なお、自分の無知と無謀に気づかない! ・・・・・・いや、それだからこそ、
次の作品に向かえる!
この作品の絵に関して苦労した点は・・・ ロボット兵団がザックッザクと行進
する1シーン( 1コマ )に18時間を費やした所だけ・・・・。それ以外は本
当にすんなりと制作が進行したのです。
3ヶ月ほどで、「 AIZU2145 」は完成します。 この作品はJプロに入ってから
初めて出版社へ持ち込んだ作品になります。
もちろん、その前に例のごとくJ先生のチェックを受けるのですが・・・・・・
今回は、私の初めてのSF・・・SF超大作アクションスペクタクル未来戦争青
春望郷残酷編24ページを・・・まさに自信満々にJ先生に見せに行くのです・・
・・!
「 退路は遮断されてる。結局殲滅されるわ・・・でも最後の最後まで・・・
人間の戦いを見せてやるのよ・・・ 」( 『AIZU2145』の中のセリフ )
血の教訓
『 利口な人間がバカになるのは病的症状の可能性が高いが、
逆に、バカが少しだけ利口になれるのは、知恵が付いたと
言うよりもただの老化( 保守化 )現象ではなかろうか・・・ 』
「 漫画家アシスタント 第4章 その44 」 へつづく・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第4章 その42」へ戻る 】
【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
戦争SFであるが、持ち込み結果も・・・・・・。《 2007年3月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その43
描いた事もないSF漫画ですが、出だしで未来都市のパノラマシーンかなん
かが出て来る様だったら( 面倒で )描けなかったかもしれません・・・・・。
ところが、私のSF漫画「 AIZU2145 」は派手な戦闘シーンで始まりますが、
その背景はただの廃墟( コンクリートの残骸! )ですから、描くのにほとん
ど苦労しなかったのです・・・!
2,3種類のロボットをデザインし、主要な登場人物である2人の少年と一人の
少女を廃墟の中に配置すれば出来上がり! 意外とスムーズに制作は進みまし
た。
「 ここは何処だ・・・・・・ 」
廃墟の中で全滅した部隊の生き残りである少年兵がつぶやきます・・・・・・
物語は明治維新の頃に悲劇的な最後をとげた会津の「 白虎隊 」をモチーフに
進行します( 私は白虎隊については何も勉強していませんでした。もし、少し
でも勉強してたら・・・もっとまともな・・・・・! )。
圧倒的に強力な敵に対して、絶望的な攻撃をするしか選択肢のない、追い詰め
られた少年たちの極限状況を描きたかった訳ですが・・・・・・
大きいだけで全然怖くない( センスの古い )ロボットと存在の意味や目的が
ハッキリしない少年たちの「 特攻精神 」が「 AIZU 」と何の関係があるのか・
・・・・・
すでに作品は破綻していたのです。 気がついていないのは・・・作者本人だ
け!
つくづく漫画を描くというのは、恐ろしい事です。 その作品に集中すればす
るほど、才能が無い事はもちろん自分の無知と誤認さえまったく自覚できない
ものなのです!
よく、漫画家志望者だけど漫画を描けない人がいますが、怠けているだけの人
は別にして、自分を客観的に見つめる事が出来る( クール過ぎる )人が多い
ように思います。
「 自分の描いている( 描いた )作品が面白くないんだよなァ・・・・・・ 」
と、自分が見えてしまうのです・・・・・・ 見えてしまい過ぎるのです。
そして、創作意欲が衰えてしまう・・・・・・。
自分の能力や感性のレベルを自覚出来る事は、必ずしも有益ではないのかもし
れません・・・・・・。
私の様な「 漫画バカ 」は、作品を「 描ききれる! 」そして、描ききった後で
なお、自分の無知と無謀に気づかない! ・・・・・・いや、それだからこそ、
次の作品に向かえる!
この作品の絵に関して苦労した点は・・・ ロボット兵団がザックッザクと行進
する1シーン( 1コマ )に18時間を費やした所だけ・・・・。それ以外は本
当にすんなりと制作が進行したのです。
3ヶ月ほどで、「 AIZU2145 」は完成します。 この作品はJプロに入ってから
初めて出版社へ持ち込んだ作品になります。
もちろん、その前に例のごとくJ先生のチェックを受けるのですが・・・・・・
今回は、私の初めてのSF・・・SF超大作アクションスペクタクル未来戦争青
春望郷残酷編24ページを・・・まさに自信満々にJ先生に見せに行くのです・・
・・!
「 退路は遮断されてる。結局殲滅されるわ・・・でも最後の最後まで・・・
人間の戦いを見せてやるのよ・・・ 」( 『AIZU2145』の中のセリフ )
血の教訓
『 利口な人間がバカになるのは病的症状の可能性が高いが、
逆に、バカが少しだけ利口になれるのは、知恵が付いたと
言うよりもただの老化( 保守化 )現象ではなかろうか・・・ 』
「 漫画家アシスタント 第4章 その44 」 へつづく・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第4章 その42」へ戻る 】
【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」